漫画のキャッチコピーを作る|紹介文との役割を分ける
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架空の読み切りを一つ立て、訴求の軸を変えた四つのコピー候補を採否の理由まで並べます。売れる正解集にはせず、概要を説明する紹介文とは役割を分けます。
短い一文が書けない
紹介文は書けたのに、入口に置く短い一文だけが決まらないことがあります。
語彙が足りないからではありません。短い一文と、概要を説明する文章を、同じものとして考えているからです。
コピーと紹介文は役割が違う
コピーは、読むかどうかを決める前に目に入る短い一文です。 一息で読み終わる長さに収めます。
紹介文は、読むかどうかを決めた人が中身を知るための文章です。 登場人物や状況を説明できます。
同じ内容を短くしたものがコピー、ではありません。 何を伝えるかが違います。
使った架空の読み切り
この記事のために作った短い読み切りを一本、例に置きます。一行のあらましは 「終電を逃した二人が、夜行バスの終点までに一つの嘘をほどく話」 です。
あらましの中には、状況・人数・締め切り・目的が並んでいます。 コピーはこのどれか一つを前へ出して作ります。
あらましを先に一行で置くと、候補を落とす理由が書けます。 比べる物差しが同じになります。
あらましの一行を先に作る
軸を選ぶには、選ぶ元になる一行が要ります。 あらましを先に書きます。
状況を入れます。 どこで、何が起きている場面かです。
人数を入れます。 一人の話か、二人の話かで前に出せる軸が変わります。
制限を入れます。 時間、場所、回数など、動ける幅を狭めているものです。
目的を入れます。 誰が何をしようとしているかです。
| あらましに入れる | 例 |
|---|---|
| 状況 | 終電を逃した |
| 人数 | 二人 |
| 制限 | 終点まで |
| 目的 | 嘘をほどく |
四つ揃っていれば、軸は四つとも作れます。 揃っていない作品は、その軸の候補が作れません。
候補は軸を変えて作る
| 訴求の軸 | 前に出すもの |
|---|---|
| 状況 | 夜行バスの中 |
| 制限 | 終点までの時間 |
| 関係 | 二人の間の嘘 |
| 問い | 読者への問いかけ |
一つの軸につき一つの候補を作ります。 混ぜると何を言いたいのか薄まります。
軸に優劣は付けていません。 作品ごとに効く軸が変わります。
四つの候補と採否
「終点まで、あと四時間」は制限を前に出した候補です。 短く、状況が一息で伝わるため、この記事では採用としました。
「夜行バスで隣になった二人」は状況の候補です。 読みやすい一方で、何が起きるかが出ないため候補止まりにしました。
「その嘘、終点までもちますか」は問いの候補です。 目を引きますが、煽りに寄るため見送りにしました。
置く場所で軸が変わる
同じ作品でも、置く場所によって効く軸が変わります。
作品の一覧に置く場合。 隣に他の作品が並ぶので、状況の軸だと似たものに埋もれます。制限の軸のほうが分かれます。
作品ページの上に置く場合。 題名のすぐ下に来るので、題名と同じことを言う軸は外します。
外の発信に置く場合。 単独で読まれるので、状況の軸でも通ります。
| 置く場所 | 避ける軸 |
|---|---|
| 一覧 | 似た状況 |
| 題名の下 | 題名と同じ |
長さの目安を決める
| 測るところ | 数え方 |
|---|---|
| 文字数 | 候補ごとに数える |
| 読む時間 | 声に出して計る |
| 記号 | 使った個数 |
文字数と記号の数は、候補ごとに数えられます。 好き嫌いとは別の物差しになります。
声に出すと、息が切れる位置が分かります。 画面で追うだけでは気づきません。
採否を次の作品へ持ち越す
見送った候補そのものは次の作品では使えません。 持ち越すのは理由のほうです。
どの軸が採用になったかを作品ごとに控えます。 何作か並べると、自分の作品で効きやすい軸が見えます。
見送った理由も控えます。 煽りに寄った、長かった、といった理由は繰り返します。
同じ軸ばかりが続いたら、一度別の軸で作ってみます。 効きやすい軸と、慣れた軸は別のことがあります。
候補を選びきれないとき
止まりやすいところを、三つ並べておきます。 どれもコピーの作り方の話です。
どの例でもあらましを書き換えていません。同じあらましから軸を選び直しています。
軸と長さを確かめる
前に出した軸があらましの中にあるか。 無い言葉は入口になりません。
声に出して一度で読み切れるか。 息が続かない長さは入口に向きません。
紹介文と役割が分かれているか。 同じ内容の繰り返しを避けます。
前に出す軸を一つ決める
コピーを作るのに、他の作品の言い回しは要りません。書き始める前に、前に出す軸を一つ決めること。
その軸はあらましにあるか。紹介文と同じことを言っていないか。 そこまで決まれば、候補は数分で並べられます。
候補が三つでも構いません。 採否の理由が書いてあれば、後から選び直せます。