漫画の受賞歴を調べる|作品紹介を確かめる手順
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「受賞作」という一語だけでは、何の賞のどの回のどの区分なのかが分かりません。賞名・主催者・年度と回次・部門・受賞区分・対象作品の六つの欄に割って、主催している側の公式と照らし合わせる手順をまとめました。受賞を品質や人気の証としては扱いません。
「受賞作」の一語では分からない
作品の紹介に「受賞作」と書いてあった。そう書いてあること自体は、たしかな手がかりです。
ただ、その一語のままでは、何の賞なのか、いつの回なのか、どの区分なのかが分かりません。 同じ「受賞」でも、指しているものは場合によって違います。
| 割った欄 | 何を見るか |
|---|---|
| 賞名 | 正式な名前 |
| 主催者 | 誰が出すか |
| 年度・回次 | いつの回か |
| 部門 | どの区切りか |
| 受賞区分 | どの言葉か |
| 対象作品 | どの作品か |
六つの欄に割る
ここがこの記事の要です。
一語のまま控えると、あとで何も確かめられません。 賞名だけでも、主催者だけでも、欄に分けて書いておけば、次に見に行く先が決まります。
六つ全部がそろわないこともあります。 紹介文に賞名しか出ていないこともありますし、区分が書かれていないこともあります。
そろわないことを欠点として扱いません。 分かった欄だけを控えて、残りは空けておきます。
賞名は正式な名前で控える
略した呼び方で書かれていることがあります。
略称のまま控えると、別の賞と取り違えることがあります。 主催している側の表示に出ている名前を、そのまま写します。
似た名前の賞が別にあることもあります。 名前が近いというだけで同じ賞として扱いません。
主催している側を見る
賞を出している側が、いちばん確かな記録を持っています。
| 確かめ先 | どう扱うか |
|---|---|
| 主催の公式 | 賞の側の記録 |
| 出す側の公式 | 作品側の表示 |
| まとめ | 確定しない |
作品を出している側の紹介にも、受賞の表示が出ていることがあります。 そちらも公式ですが、書き方が主催の側と違うことがあります。 どちらで見たかを添えて控えます。
年度と回次は推し量らない
見落としやすいところです。
発表された年と、応募や選考のあった年が違うことがあります。 どちらの年で書かれているのかは、表示を見るまで分かりません。
回次と年度は別の欄です。 第何回かと、何年のものかは、必ずしも一対一で対応しません。
分からないなら、空けたままにします。 前後の年から推し量って書き込むと、そこから先の控えがまとめて当てになりません。
部門と受賞区分を分ける
この二つは混ざりやすいところです。
部門は、どの区切りで選ばれたかです。 読み切りと連載、年齢の区分、題材の区分など、賞ごとに置き方が違います。
受賞区分は、その中でどの言葉が付いたかです。 大賞、入選、佳作といった言葉のことです。
片方しか書かれていないこともあります。 そのときは、書かれているほうだけを控えます。
賞は作品に付くのか、人に付くのか
六つの欄のうち、いちばん埋め方を間違えやすいのが対象作品の欄です。 賞は必ず一つの作品に付くとは限りません。付き先が違うと、その欄に何を書くかも変わります。
| 賞の付き先 | 対象作品の欄 |
|---|---|
| 一つの作品 | その作品名 |
| 応募した原稿 | 題名が無いことも |
| 描いた人 | 空けておく |
| 活動の全体 | 作品名は書かない |
一つの作品に付く賞なら、そのまま作品名を控えます。 いちばん分かりやすい形で、紹介文に「受賞作」と書かれているときはたいていこれです。
応募した原稿に付く賞では、題名が公表されていないことがあります。 選考の結果として名前だけが出て、その原稿がのちに別の題で世に出ることもあります。 そのときは、いま読める作品と受賞した原稿が同じものだとは限りません。 欄には、表示されている題だけを写します。
描いた人に付く賞では、対象作品の欄は空きます。 誰かの仕事ぶりに対して出されたものなので、一つの作品名を書き込むと、書いていないことを書いたことになります。 その人の紹介に「受賞」と出ていても、特定の作品の受賞歴ではありません。
活動の全体に付く賞も同じです。 長く続けたことや、分野への関わりに対して出されるもの。ここに作品名を入れると、その作品が選ばれたという別の話になってしまいます。
付き先は、主催している側の表示に書かれています。 何に対して出す賞なのか。そこを見ずに対象作品の欄を埋めると、六つの欄のうち一つが最初から間違ったままになります。
区分の言葉を並べて置く
言葉はそれぞれ別のものです。 「入選」と書いてあるものを「受賞」とだけ書き換えると、元の表示より広い意味になってしまいます。
同じ言葉でも、賞ごとに位置づけが違います。 ある賞の「佳作」と別の賞の「佳作」が同じものだとは限りません。
この記事では、区分に上下を付けません。 どれが上でどれが下という並べ方はせず、書いてある言葉をそのまま控えるだけです。
まとめだけで確定しない
誰かが集めた一覧は、見当を付けるのに向いています。
ただ、そこで打ち止めにはしません。 回次が落ちていたり、表記が古いままだったり、部門が省かれていたりします。
その一覧が誤っているという話ではありません。 どこを根拠に控えるかを先に決めておく、というだけのことです。拾った欄は、主催している側の表示へ戻して確かめます。
受賞作を読む話とは分ける
近い話があるので、線を引いておきます。
受賞した作品をいま読めるかどうかを探す話は、別の記事の側です。 そちらで扱うのは結果の発表から本編へたどり着くまでで、ここで見るのは「受賞」という表示そのものの中身です。
デビュー作を調べる話とも分かれます。 そちらは初めて世に出た作品を特定する話で、 こちらは受賞の記録を欄に割る話です。 受賞した作品がそのままデビュー作とは限りません。
架空の4例で欄の埋め方を見る
埋め方を示すために、仮の場面を4つ並べます。 実在の賞や作品の話ではありません。
4つとも、分からない欄を埋めていません。 書かれていないものは書かれていないまま置いています。
照らし合わせる前の5つ
調べ始める前に、目を通しておきたいところです。
| 照らす前に | 確かめること |
|---|---|
| 賞名 | 正式名で控える |
| 主催 | 誰が出すか |
| 年度 | 推し量らない |
| 部門 | 区分と分ける |
| 作品 | 対象を確かめる |
六つの欄が全部埋まる紹介文は、そう多くありません。 照らし合わせられた欄だけを書き入れ、あとは空欄で残します。
結局、「受賞作」は評価ではなく「どの回のどの区分か」で読む
受賞歴を調べるときにやることは、結局ひとつです。「受賞」という一語を、欄に割って書き出すこと。
何という賞か、誰が出しているか、いつの回か、どの区切りか、どの言葉が付いたか、どの作品か。割ってしまえば、それぞれをどこで確かめればよいかが見えてきます。
そして、埋まらない欄があっても困りません。 空いているということ自体が、まだ確かめていないという正しい控えです。