悪役の動機を考える|主人公との対立を具体化する
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立ちはだかる側にも、追っているものがあります。主人公側と対立側を同じ様式で並べ、目的・守りたいもの・行動を書き出しました。ぶつかっているのは目的のほうで、人格を先に決めなくても対立は作れます。
立ちはだかる人にも、目的がある
物語を止める側の人物を、性格だけで考えると動かしにくくなります。
その人にも追っているものがあります。 それが主人公の追うものとぶつかるから、話が止まります。
まず、両方の目的を書き出してみます。 人柄はあとから足しても遅くありません。
目的・守りたいもの・行動を両側に書く
図の二人は、この一本のために立てた架空の二人です。 特定の人物を想定していません。
欄の名前は左右で同じにします。 片方だけ「たくらみ」などに替えると、そこで決めつけが入ります。
書く分量もそろえます。 対立側が一行で済むなら、まだ作れていないところがあります。
三つの行を埋めると、どこでぶつかるかが見えてきます。
| 行 | 書くこと |
|---|---|
| 目的 | 何を追うか |
| 守りたいもの | 失いたくないもの |
| 行動 | どう動くか |
ぶつかっているのは目的のほう
二つの目的を取り出すと、重なっている一点が出てきます。
同じものを取り合っている、同じ場所を使いたい、同じ人を守りたい。 そこが衝突している場所です。
その一点がはっきりすると、対立の場面が書きやすくなります。 どちらが悪いかを決めなくても書けます。
逆に、重なりが見つからないときは、まだ対立していません。 目的のほうを書き直します。
悪人であることを前提にしない
呼び名が悪役でも、悪人だと決める必要はありません。
呼び方は、物語の中での位置を指しているだけです。 主人公と目的が衝突する人物、と置き換えても通ります。
善悪を先に決めると、行動がそこへ寄っていきます。 目的から決めたほうが、動きが出ます。
読む人がどう感じるかは、書き終えたあとの話です。
対立側で決めつけないこと
手元に置きたいのは、両側を同じ様式で書いたかと、目的が重なる一点があるかの二つです。
重なる一点が見つからないとき
両側を書いても、ぶつかる場所が出てこないことがあります。
目的の欄をもっと具体にします。 「町を守る」では重なりません。何をどうするかまで書きます。
同じものを取り合う形にします。 場所、物、人、時間のどれかです。
片方の目的を、もう片方の守りたいものに当てます。 追うことが、相手の失うことになる形です。
それでも重ならないなら、対立していません。 二人は別の話を進めています。
無理に重ねなくて構いません。 その人物は、立ちはだかる側ではない役です。
過去で正当化しない
背景を書くと、その人の行いが説明できるようになります。
ただ、説明が付くことと、認められることは別です。 そこを混ぜると、物語のほうが歪みます。
背景は、なぜそれを追うのかを支えるために使います。 行いを認めさせるために使うものではありません。
背景が無いまま対立させても構いません。 目的が重なっていれば話は動きます。
強さや残酷さで測らない
能力を高くしても、対立そのものは深くなりません。
変わるのは、越えにくさだけです。 どこでぶつかっているかは、そのままです。
むごい行いを足していくと、目的のほうが見えなくなります。 何を追っているのかが薄れます。
足したくなったときは、先に目的の欄を読み返します。
譲れない理由を書く
対立側が引かない理由が要ります。 引ける相手なら、そこで話が終わります。
守りたいものを失うからです。 引くと何を失うかを書きます。
約束しているからです。 誰かとの約束が理由になります。
ほかに手が無いからです。 選べる立場にない形です。
理由が弱いと、主人公が説得して終わります。 説得で終わってよい話なら、それで構いません。
引けない理由は、主人公の側にも要ります。 片方だけだと、そちらが折れます。
手口の話には進まない
この記事では、実際にできてしまう手順は扱いません。
物語の中で何が起きたかは書けます。 どうやればできるか、という書き方はしません。
対立を作るのに、手順の細かさは要りません。 必要なのは、目的が重なっていることです。
危ない題材を選ぶときほど、そこは分けて考えます。
対立側が通る場面を置く
一度も通らない相手だと、ぶつかっている形になりません。
先に一度、対立側の目的が通る場面を置きます。 そこで主人公の側が何かを失います。
通った理由を書きます。 偶然通ると、次も偶然で決まるように読まれます。
通る場面が無いと、最後に負ける役として置いただけになります。
通る回数は一度で足ります。 何度も通ると、主人公の側が動けません。
最後まで通ったままで終わる話も成り立ちます。
主人公の目的を扱う記事との位置
主人公が何を追うかを決める記事が、別にあります。
あちらは片側の目的と、そこから出る行動の話です。こちらは二つの目的を並べて、重なりを見つけるところを扱います。
先にそちらを済ませておくと、この表の左側はすぐ埋まります。
行く手をふさぐものを置く記事とも、見ているところが違います。
欄の名前・分量・重なりを見る
| 見るところ | 確認すること |
|---|---|
| 欄の名前 | 左右で同じか |
| 分量 | 片側だけ薄くないか |
| 重なり | 一点が見つかるか |
| 善悪 | 先に決めてないか |
| 背景 | 免罪にしてないか |
二つの欄を同じ様式で埋める
いま作っている話に立ちはだかる人がいれば、紙を左右に分けます。
同じ三つの行を、両側に書きます。 目的、守りたいもの、行動の三つです。
片側が埋まらなければ、そこがまだ作れていないところです。 埋まったら、重なっている一点を探します。