和風ファンタジー漫画を探す|舞台と幻想要素から選ぶ
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和風ファンタジーは歴史ものとは別の読み物です。舞台の種類、伝承や神話が元にあるか、妖怪や制度が作品独自か、信仰にふれる場面の扱いという観点から、元になった題材と作品が作った設定を分けて作品を選ぶ方法をまとめました。
「和風」と「歴史もの」は別のこと
古い町並み、着物、刀、神社。そうした画面に惹かれて探すとき、歴史漫画と同じ棚を見てしまいがちです。
ですが、和風の見た目が出てくることと、歴史を描いていることは別です。時代が決められていない作品もありますし、実在しない国や神が出てくる作品もあります。 見た目だけで史実として読み始めると、書かれていることを取り違えます。
| 見る項目 | 確認すること |
|---|---|
| 舞台 | 実在時代か架空か |
| 伝承 | 元の題材があるか |
| 妖怪 | 伝承由来か独自か |
| 制度 | 歴史上か架空か |
| 信仰 | 実在宗教か設定か |
この五つは並列です。どれから見なければいけない、ということはありません。
分けるのは二つ
この記事でやることは、結局これだけです。
元になった題材があるものと、作品が作ったものを分けて控える。 そのうえで、作品の中でどう使われているかを見ます。
| 題材 | 見るポイント |
|---|---|
| 伝承 | 元の話があるか |
| 神話 | 名前を借りたか |
| 時代風景 | 実在時代か雰囲気か |
| 妖怪 | 伝承由来か独自か |
| 制度 | 歴史上か作品独自か |
分けておくと、面白かった設定を史実として覚えてしまうことが減ります。 どちらが優れているという話ではありません。
舞台の種類を見る
まず、どこを舞台にしているかです。
実在の時代に寄せた作品では、年号や地名が示されることがあります。時代を決めない作品では、和風の風景だけがあって年代は出てきません。いまの町に怪異が出てくる作品もあります。
異世界であることは条件ではありません。 現実世界を舞台にした和風ファンタジーもありますし、まったくの架空世界を作る作品もあります。
紹介文からでも、時代の名前が書かれているかどうかはすぐ分かります。そこが書かれていなければ、時代を決めていない作品だと見当が付きます。
伝承や神話が元にあるかを見る
次に、題材の由来です。
元になった話をたどれる作品もあれば、名前だけを借りて中身は作品が決めている作品もあります。まったくの作品独自ということもあります。
どれが正しいという話ではありません。 名前を借りて別のものを作るのは、昔からある作り方です。
妖怪は伝承由来か、作品独自か
和風ファンタジーでよく出てくるところです。
名前を聞いたことがある妖怪が出てきても、その作品での姿や力が伝承どおりとは限りません。 名前だけが同じで、できることは作品が決めていることがあります。
まったく新しい妖怪を作る作品もあります。読む側としては、どちらなのかが分かれば十分です。
なお、妖怪との関わり方そのものを軸に選びたいときは、そちら向きの探し方が別にあります。ここでは和風ファンタジー全体の中の一要素として見ます。
制度や国が実在のものか
見落としやすいのが、ここです。
藩や身分、役職のような仕組みが出てくると、実在の制度を扱っているように見えます。ですが、名前だけ実在風で中身は作品が決めていることがあります。 架空の国や架空の暦を置く作品もあります。
実在風であることと、実在であることは別です。 作品の中で説明された仕組みを、そのまま歴史上の制度として覚えないほうが安全です。
信仰にふれる場面は分けて読む
神社や寺、祈りの場面が出てくる作品もあります。
ここは三つに分けておきます。作品が作った設定、伝えられてきた話、そして実在の信仰です。作品の中の神や儀式を、実在の信仰の説明として読まないようにします。
幻想要素がどこに置かれているか
要素が「あるかないか」より、どこに置かれているかを見ると選びやすくなります。
| 置かれ方 | 読みどころ |
|---|---|
| 怪異が手前 | 怪異そのもの |
| 人物が手前 | 関わる人の話 |
| 暮らしが手前 | 日々の場面 |
設定が細かいほど良い、ということはありません。 細かく作る作品も、決めずに置く作品も、どちらも作りの違いです。
怪異が世間に知られているかどうか
舞台と由来を確かめたら、もう一つ見ておくと外しにくくなります。その世界で怪異が知られているかです。 同じ妖怪が出る作品でも、それが公のものか隠されているかで、物語の形がまるく変わります。
| 怪異の位置 | 物語の形 |
|---|---|
| 誰にも見えない | 孤立の話 |
| 一部にだけ見える | 秘密の話 |
| 公に知られている | 制度の話 |
| 当たり前にいる | 日常の話 |
主人公にしか見えない作品では、まず信じてもらえません。 見えているものを説明できない時間が長く、怪異と向き合う前に人と噛み合わない場面が来ます。 孤立そのものが読みどころになります。
一部の人にだけ見える作品では、見える者どうしの関係が生まれます。 隠すか明かすか、誰を巻き込むか。秘密を共有する話になるので、人物の側に重心が寄ります。
公に知られている作品では、扱う仕組みができています。 役所、寮、登録、資格。制度の描写が入るので、手続きや立場が物語を動かします。 作品独自の設定がいちばん増える形でもあります。
当たり前にいる作品では、誰も驚きません。 隣に住んでいる、店番をしている。説明も手続きも要らないので、暮らしの場面が前に出ます。 幻想要素は日常の一部として置かれます。
紹介文からは、ここはかなり読めます。 「見えてしまう」「見えるのは自分だけ」といった語なら隠される形、役所や組織の名前が出ていれば制度の形。舞台の種類より表に出やすいところです。
文化をまとめて語らない
作品を選ぶ話から外れないように、ここも置いておきます。
架空例で題材と設定の混ざり方を見る
題材と独自設定の混ざり方を、こちらで四通り置きます。どの作品のことでもありません。
4つとも、和風に見えるかどうかでは並べ替えられません。 題材と作品独自の設定の混ざり方が違うだけです。
歴史もの・妖怪もの・異世界ものの入口との境目
近い入口がいくつかあるので、分かれ目を書いておきます。
歴史を扱う作品を選ぶ見方とは、確かめる先が違います。 あちらは作品の外に記録があり、題材の出典を公的な資料まで辿れます。 こちらは元になった伝えが一つに決まらないので、辿り着くのは「作品がどれを採ったか」までです。同じ「題材と創作を分ける」でも、突き止められる深さが違います。
妖怪との関わりから作品を選ぶ見方とも分かれます。 あちらは人と怪異の距離そのものが軸で、和風でなくても成り立ちます。 こちらは和風の舞台と題材の由来が軸なので、妖怪が出ない作品も入ります。
異世界の作品を選ぶ見方とも別です。 あちらは移動や転生の有無が入口になります。 こちらは異世界であることを条件にしていません。いまの町を舞台にした作品も同じ棚に置きます。
開く前に題材と設定を確かめる
開く前に、さっと確かめておきたいところです。
公式の紹介文で分かるのは、たいてい舞台の雰囲気と、どんな幻想要素が出るかまでです。題材の由来までは書かれていないことが多いので、試し読みがあればそこを見ます。
結局、和風ものは「和風に見えるか」ではなく「題材と設定の切れ目」で選ぶ
和風ファンタジーを探すときにやることは、結局ひとつです。どんな舞台で、幻想要素をどのあたりに置いた作品を読みたいのかを先に決めること。
時代の決まった世界を歩きたいのか、年代のない風景に浸りたいのか、いまの町に怪異が混ざるのを見たいのか。そこが決まっていれば、紹介文の見る場所が決まります。
「和風ファンタジー」とひとことで言っても、題材の使い方は作品ごとに違います。今日の自分がどれを求めているかが決まると、選びやすくなります。