ホラー・怪奇漫画とは|恐怖と不思議の位置づけ
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ホラーと怪奇は、置かれる棚によって指す範囲が変わります。恐怖・怪異・不可思議・心理的緊張・超常・日常への侵入という六つの向きに分け、表示名・区分・説明文・別の場所での使われ方を照合する手順をまとめました。一つの棚の書き方を全体の決まりにはしません。
「ホラー」と「怪奇」は、同じ棚に並ぶとは限らない
こわい話を探そうとして、同じような作品に二つの違う名前が付いているのを見かけます。
片方では「ホラー」、別のところでは「怪奇」。どちらかが間違っているわけではありません。
棚ごとに、置かれる語が違う
この記事の要はここです。
分類語は、置かれる棚ごとに並びが違います。 ある棚には「ホラー」と「怪奇」が並び、別の棚では「ホラー」の隣が違う語になっています。
列がそろっていないところが、そのまま使われ方の差です。 そろえて一本の表にすると、その差が消えます。
一部の語だけが、複数の棚に載っています。 全部が重なるわけでも、まったく別々でもありません。
だから、一つの棚を見て全体の決まりにしません。 見た棚が一つなら、一つ見たと控えます。
見る向きは六つある
こわさに近い話をほどくと、別々に動く六つの向きが出てきます。
| 見る向き | 何を指すか |
|---|---|
| 恐怖 | こわさ |
| 怪異 | 説明がつかない |
| 不可思議 | 筋道が見えない |
| 心理的緊張 | 張りつめた感じ |
| 超常 | 起こらないはず |
| 日常への侵入 | ふだんに入る |
六つは、付いたり付かなかったりします。 そろって初めて成り立つ、という関係ではありません。
どれが中心かで、当てられる語が変わります。 同じ作品でも、見る向きを変えれば違う名前になります。
恐怖と怪異は、別の向き
こわいと感じることと、説明がつかないことは別です。
説明がつかないまま終わっても、こわくないことはあります。逆に、理由がはっきりしていてもこわいことはあります。
この二つを一つにすると、片方しかない作品の置き場所がなくなります。 分けたまま扱うほうが、収まりがよくなります。
不可思議と超常も、同じではない
筋道が見えないことと、起こらないはずのことが起きることも別です。
日常の中で辻褄が合わないだけの話もありますし、はっきりと決まりの外のことが起きる話もあります。同じ「ふしぎ」でも、指しているものが違います。
どちらかが本格的、という並べ方もしません。 向きが違うだけです。
張りつめ方は、こわさと別に数える
読んでいる間の張りつめ方は、こわさとは別に動きます。
何も起きないのに息が詰まる作品もあれば、驚く場面が多くても緊張が続かない作品もあります。同じ物差しで測れません。
だから「こわくなかった」と「張りつめていなかった」も別の感想です。 一緒にすると、どちらの話か分からなくなります。
日常に入ってくるかどうか
ふだんの暮らしの中に入ってくる形か、はじめから別の場所の話かでも、当てられる語が変わります。
同じ出来事でも、遠い場所で起きるのと、見慣れた場所で起きるのとでは受け取り方が違います。
ここは舞台の話であって、こわさの強さの話ではありません。 近いほうがこわい、とは決めません。
同じ語でも、指す範囲が違う
同じ語が、棚によって違う広さで使われていることがあります。
狭く使っているところもあれば、もっと広く取っているところもあります。どちらが正しいという話ではありません。
見かけた語は、どこで見たかとセットで控えます。 語だけ覚えると、別の場所で食い違ったときに困ります。
語が当てにならないとき、向きで探す
棚ごとに語の使い方が違うなら、語で探しても当たりが安定しません。 そこで、六つの向きのほうを手がかりにします。紹介文に出てくる言い方から、どの向きの作品かを見当付けるやり方です。
| 読みたい向き | 紹介文で見る語 |
|---|---|
| 恐怖 | 驚きや脅かし |
| 怪異 | 正体が分からない |
| 心理的緊張 | 息が詰まる |
| 日常への侵入 | 見慣れた場所 |
こわさそのものを読みたいなら、驚かせる仕掛けに触れた言い方を探します。 出てくる、襲われる、追われる。分類語が「怪奇」になっていても、紹介文がこう書かれていれば恐怖の向きです。
説明がつかないことを読みたいなら、正体や理由に触れていない言い方を見ます。 何なのか分からない、誰も知らない。逆に、正体が紹介文に書かれている作品は、怪異の向きとしては弱くなります。
張りつめ方を読みたいなら、息苦しさや逃げ場のなさに触れた言い方を探します。 出てくるものの説明より、読んでいるあいだの状態が書かれているかどうかを見ます。
日常に入ってくる形を読みたいなら、場所の書き方を見ます。 学校、団地、通り。見慣れた場所の名前が出ていれば、その向きです。 遠い土地や別の世界の名前なら、はじめから外側の話です。
この見当も確実ではありません。 紹介文は売るために書かれているので、強い言い方に寄っていることがあります。 それでも、分類語だけを頼るよりは外れにくくなります。
当たらなかったら、別の向きの語で探し直します。 六つあるので、五回外しても手は残っています。語を覚え直すより、向きを言い換えるほうが早く進みます。
照合するときに見る四つ
| 照合するところ | 何を見るか |
|---|---|
| 表示名 | どう呼んでいるか |
| 区分 | どこに置くか |
| 説明文 | 何と書いてあるか |
| 別の場所 | 同じ語の使われ方 |
はじめの三つは、その一枚を見れば分かります。 名前と、置かれている区分と、添えられた説明文。
四つめだけは、もう一枚見に行かないと分かりません。 同じ語が別の場所でどう使われているか、という話だからです。
この記事では、具体的な出どころの名前を挙げていません。 こちらで照合していないものを、照合したように書かないためです。
架空の4例で照合を見る
読み方を示すために、仮の場面を4つ置きます。 どれも実在の分類表を指していません。
どの例でも、一か所の書き方を全体に広げていません。 見た分だけを控えています。
語を読むときの五つ
分類語を見かけたときに、次を確かめます。
| 見るところ | 確認すること |
|---|---|
| 表示名 | どう呼んでいるか |
| 区分 | どこに置かれるか |
| 説明文 | 何と書いてあるか |
| 別の場所 | 同じ語の使われ方 |
| 見た数 | 何か所見たか |
五つそろわなくても構いません。 一つの書き方に寄せないでおければ足ります。
棚を見に行くところから
ホラーや怪奇という語と付き合うときにすることは、多くありません。語を覚えるのではなく、どこでどう使われていたかを見に行くこと。
恐怖なのか、怪異なのか、張りつめ方なのか。どの向きの話かが分かれば、名前が違っていても戸惑いません。
そして、二つの語のどちらかに決めなくて構いません。 決まらないまま読んでも、作品のほうは変わりません。