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ギャグ漫画とコメディの違いを考える

公開日

二つの言葉に、業界共通の厳密な一線は引かれていません。実際に公開先の分類を見てみると、二つを一つの名前にまとめている場所も、そもそもジャンルで分けていない場所もありました。重なりを重なったまま扱う見方と、笑いの作られ方の特徴をまとめました。

「ギャグ漫画とコメディの違いを考える」を表したイラスト

二つの名前に、一本の線は引かれていない

ギャグとコメディ。似た場所で使われる言葉ですが、どこかに公式の境目があるわけではありません。

書き手によっても、出す場所によっても、読む人によっても指す範囲が変わります。それでも困らないのは、二つを厳密に分けなくても読めるからです。

この記事では、分ける線を引くのではなく、重なっているところをそのまま扱います。

実際の分け方を見てみた

確かめたのは次のことです。いくつかの公開先で、どういう名前の並びが使われているかを見ました。

用語の置かれ方を三つの形で並べた図
どの形も実際に使われています
見かける形 置かれ方
二つを別に置く 別の名前として
一つにまとめる 一語の区分として
分けない 別の軸で並べる

片方の場所の書き方を、全体の決まりとしては受け取れません。 見た場所でそうだった、というところまでです。

重なりを図にする

二つの名前の範囲が重なっていることと、一つの名前でまとめられる場合を示した図
重なりの部分にも作品はあります

二つの言葉が指す範囲は、並んでいるのではなく重なっています。

重なっているところに置かれる作品が、いちばん多いかもしれません。笑わせる場面があり、同時に話も進んでいる。 よくある作りです。

重なりを消して二つに割ろうとすると、そこにある作品の居場所が無くなります。 だから割らずに置いておきます。

二語の間に厳密な線があることにしない

見たいのは、その作品で笑いがどう作られているかだけです。

笑いの作られ方はいくつもある

笑いの作られ方を同じ大きさの枠で並べた図
上下を付けて並べたものではありません

言葉のやりとり、間の取り方、思いがけない展開、噛み合わない会話、大げさな絵、繰り返し、真面目に進めること。これらは名前とは別に、作品ごとに選ばれています。

どの作られ方が先、という決まりもありません。 効いているかどうかは、その作品の中でしか決まりません。

一つの作品が複数の作られ方を持ちます。 一つに絞って読む必要はありません。

一話の中で切り替わる

同じ一話の中でも、笑わせる場面と話を進める場面が入れ替わります。

前半は短い掛け合いが続き、終わりのほうで話が動く。そういう作りは珍しくありません。

だから、一話を読んで一語で呼ぼうとすると、どちらかの場面が無かったことになります。

場面ごとに見ておけば、呼び名は要りません。

比べ方をしない

どちらがよく笑えるか、という比べ方はしないでおきます。

笑いは読む人によって違いますし、同じ人でもその日によって違います。 並べても、誰の役にも立ちません。

物語があるかどうかで上下を付けることもしません。 短い掛け合いだけで成り立つ作品も、長い筋のある作品も、それぞれの作り方です。

笑った回数を数えて比べることもできません。 そもそも、そういう形をしていません。

笑えなかったとき、何が合わなかったのか

笑いは読む人によって違う、と書きました。そこで終わらせると、合わなかったときに次の手がありません。 笑いの作られ方が七通りあるなら、合わなかったのはそのうちのどれかだったと考えられます。

合わなかった点 次に試すこと
言い方 会話中心を外す
間の取り方 短い形を試す
繰り返し 一話完結を試す
大げさな絵 線の細い絵へ

言葉のやりとりで笑わせる作品が合わないことがあります。 掛け合いの速さや語尾の作り方が噛み合わない。そのときは、会話より状況で笑わせる作品へ移ります。 同じ名前の棚の中にも両方あります。

間の取り方が合わないこともあります。 引っ張ってから落とす作りで、引っ張りが長く感じる。短い区切りで進む形を試すと合うことがあります。 一ページに一つ落ちる作りは、間が短くて済みます。

繰り返しで笑わせる作りは、慣れるまでに時間がかかります。 同じ型が何度も来ることで効いてくる作りなので、一話だけ読んで合わないと決めると取りこぼします。 逆に、一話で完結する形なら繰り返しに頼らない作りが多くなります。

大げさな絵が合わないこともあります。 崩し方や勢いの付け方が好みから外れる。絵の作りは名前からは分からないので、試し読みで見るのがいちばん早いところです。

どれも作品の側の欠点ではありません。 七通りのうち自分に効くものが決まっているだけです。一つ合わなかったことを「この名前の作品は合わない」に広げないでおきます。

合ったときの作られ方を控えておくと、次から早くなります。 笑った場面が会話だったか、状況だったか。それが分かっていれば、棚の中で当たりを付けられます。

名前は置き場所の都合でもある

作品に付いた名前は、置く場所の都合で決まることがあります。

どの棚に並べるか、どの区分から探してもらうか。そうした事情で名前が選ばれることもあります。

だから、付いている名前が中身の要約だとは限りません。 名前は入口の目印として使えば十分です。

名前の無い作品でも、読み方は変わりません。

隣に立つ記事との区分

持ち場が触れ合う記事があるため、区分を書いておきます。

ジャンル名という呼び方そのものを扱う記事が、上の段にあります。

笑える作品を探す記事とも分かれます。 そちらは会話・状況・不条理という手がかりから探す話でした。

笑える読み切りを探す記事も別に立っています。

迷ったときの見どころ

読むときに見ておきたい5項目のチェックリスト
どれも笑いの量を測るものではありません
見るところ 確認すること
作られ方 どう笑わせているか
場面 切り替わっているか
重なり 両方あるか
名前 置き場所の都合か
比べ 量で測ってないか

呼び名より、その場面で何が笑いを作ったか

読んでいる作品の中で、笑ったところを一つ思い出します。

そこで何が笑いを作っていたのか。言い方か、間か、思いがけなさか。そして、その場面で話も進んでいたかどうか。

それだけ分かれば、この二つの言葉のどちらで呼ぶかは、もう決めなくてかまいません。

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