ギャグ漫画とコメディの違いを考える
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二つの言葉に、業界共通の厳密な一線は引かれていません。実際に公開先の分類を見てみると、二つを一つの名前にまとめている場所も、そもそもジャンルで分けていない場所もありました。重なりを重なったまま扱う見方と、笑いの作られ方の特徴をまとめました。
二つの名前に、一本の線は引かれていない
ギャグとコメディ。似た場所で使われる言葉ですが、どこかに公式の境目があるわけではありません。
書き手によっても、出す場所によっても、読む人によっても指す範囲が変わります。それでも困らないのは、二つを厳密に分けなくても読めるからです。
この記事では、分ける線を引くのではなく、重なっているところをそのまま扱います。
実際の分け方を見てみた
確かめたのは次のことです。いくつかの公開先で、どういう名前の並びが使われているかを見ました。
| 見かける形 | 置かれ方 |
|---|---|
| 二つを別に置く | 別の名前として |
| 一つにまとめる | 一語の区分として |
| 分けない | 別の軸で並べる |
片方の場所の書き方を、全体の決まりとしては受け取れません。 見た場所でそうだった、というところまでです。
重なりを図にする
二つの言葉が指す範囲は、並んでいるのではなく重なっています。
重なっているところに置かれる作品が、いちばん多いかもしれません。笑わせる場面があり、同時に話も進んでいる。 よくある作りです。
重なりを消して二つに割ろうとすると、そこにある作品の居場所が無くなります。 だから割らずに置いておきます。
二語の間に厳密な線があることにしない
見たいのは、その作品で笑いがどう作られているかだけです。
笑いの作られ方はいくつもある
言葉のやりとり、間の取り方、思いがけない展開、噛み合わない会話、大げさな絵、繰り返し、真面目に進めること。これらは名前とは別に、作品ごとに選ばれています。
どの作られ方が先、という決まりもありません。 効いているかどうかは、その作品の中でしか決まりません。
一つの作品が複数の作られ方を持ちます。 一つに絞って読む必要はありません。
一話の中で切り替わる
同じ一話の中でも、笑わせる場面と話を進める場面が入れ替わります。
前半は短い掛け合いが続き、終わりのほうで話が動く。そういう作りは珍しくありません。
だから、一話を読んで一語で呼ぼうとすると、どちらかの場面が無かったことになります。
場面ごとに見ておけば、呼び名は要りません。
比べ方をしない
どちらがよく笑えるか、という比べ方はしないでおきます。
笑いは読む人によって違いますし、同じ人でもその日によって違います。 並べても、誰の役にも立ちません。
物語があるかどうかで上下を付けることもしません。 短い掛け合いだけで成り立つ作品も、長い筋のある作品も、それぞれの作り方です。
笑った回数を数えて比べることもできません。 そもそも、そういう形をしていません。
笑えなかったとき、何が合わなかったのか
笑いは読む人によって違う、と書きました。そこで終わらせると、合わなかったときに次の手がありません。 笑いの作られ方が七通りあるなら、合わなかったのはそのうちのどれかだったと考えられます。
| 合わなかった点 | 次に試すこと |
|---|---|
| 言い方 | 会話中心を外す |
| 間の取り方 | 短い形を試す |
| 繰り返し | 一話完結を試す |
| 大げさな絵 | 線の細い絵へ |
言葉のやりとりで笑わせる作品が合わないことがあります。 掛け合いの速さや語尾の作り方が噛み合わない。そのときは、会話より状況で笑わせる作品へ移ります。 同じ名前の棚の中にも両方あります。
間の取り方が合わないこともあります。 引っ張ってから落とす作りで、引っ張りが長く感じる。短い区切りで進む形を試すと合うことがあります。 一ページに一つ落ちる作りは、間が短くて済みます。
繰り返しで笑わせる作りは、慣れるまでに時間がかかります。 同じ型が何度も来ることで効いてくる作りなので、一話だけ読んで合わないと決めると取りこぼします。 逆に、一話で完結する形なら繰り返しに頼らない作りが多くなります。
大げさな絵が合わないこともあります。 崩し方や勢いの付け方が好みから外れる。絵の作りは名前からは分からないので、試し読みで見るのがいちばん早いところです。
どれも作品の側の欠点ではありません。 七通りのうち自分に効くものが決まっているだけです。一つ合わなかったことを「この名前の作品は合わない」に広げないでおきます。
合ったときの作られ方を控えておくと、次から早くなります。 笑った場面が会話だったか、状況だったか。それが分かっていれば、棚の中で当たりを付けられます。
名前は置き場所の都合でもある
作品に付いた名前は、置く場所の都合で決まることがあります。
どの棚に並べるか、どの区分から探してもらうか。そうした事情で名前が選ばれることもあります。
だから、付いている名前が中身の要約だとは限りません。 名前は入口の目印として使えば十分です。
名前の無い作品でも、読み方は変わりません。
隣に立つ記事との区分
持ち場が触れ合う記事があるため、区分を書いておきます。
ジャンル名という呼び方そのものを扱う記事が、上の段にあります。
笑える作品を探す記事とも分かれます。 そちらは会話・状況・不条理という手がかりから探す話でした。
笑える読み切りを探す記事も別に立っています。
迷ったときの見どころ
| 見るところ | 確認すること |
|---|---|
| 作られ方 | どう笑わせているか |
| 場面 | 切り替わっているか |
| 重なり | 両方あるか |
| 名前 | 置き場所の都合か |
| 比べ | 量で測ってないか |
呼び名より、その場面で何が笑いを作ったか
読んでいる作品の中で、笑ったところを一つ思い出します。
そこで何が笑いを作っていたのか。言い方か、間か、思いがけなさか。そして、その場面で話も進んでいたかどうか。
それだけ分かれば、この二つの言葉のどちらで呼ぶかは、もう決めなくてかまいません。