COMISTA JOURNAL漫画を投稿する

初めて漫画をネット公開する人の準備ガイド

公開日

初めて漫画をネット公開する方向けに、原稿データ、タイトル、表紙、紹介文、タグ、権利確認、公開設定など、投稿前に準備しておきたい10項目を解説します。投稿ボタンを押す前に見直せるチェックリスト付きです。

「初めて漫画をネット公開する人の準備ガイド」を表したイラスト

初めて漫画をネット公開するときは「投稿前の準備」が大切

原稿が描き上がって、いよいよ公開だ……と思って投稿画面を開いたら、タイトル、表紙、紹介文、タグ、公開範囲。いきなり全部まとめて聞かれる。

これ、地味に困りますよね。

絵を描いていた時間とはまったく別の頭を使うので、「あとで考えよう」と思っていた項目ほど、この瞬間に効いてきます。紹介文が思いつかない。表紙をどれにするか決めていない。画像の形式が違うと言われて書き出しからやり直し。正直、ここで手が止まってそのまま翌日になる人は少なくありません。

逆に言うと、何を聞かれるのかを先に知っていれば、投稿そのものは驚くほど早く終わります。 この記事では、初めて漫画をネットで公開する前に用意しておきたいものを10項目にまとめました。

読んでいただきたいのは、描き上がった原稿はあるけれど、公開の手続きを一度も通したことがない方です。 10項目が何で、どの順に片付けると手戻りが出ないかまでを、この1本で扱います。

初公開までの流れを4段階で示した図。そろえる、決める、確かめる、出して見る、の順に進む
やることは大きく4段階。この記事は主に1〜3の話です

漫画をネット公開する前に準備したい10項目

ここからが本題です。10個と聞くと多そうですが、半分くらいは「決めるだけ」で終わります。

投稿前に確認したい10項目を2列のチェックリストにまとめた図
この記事で扱う10項目。最後にもう一度まとめます

1. 公開する漫画の原稿データ

まずは「どれを公開するか」を確定させます。当たり前に聞こえますが、修正版と修正前が同じフォルダに混ざっていると、投稿の途中で「あれ、これ直したほうだっけ」と手が止まります。

おすすめは、書き出し済みの画像だけを1つのフォルダにまとめて、そのフォルダの中身しか触らないようにすること。作業用のファイルとは分けておきます。

作業用フォルダと公開用フォルダを分けるイメージ図。公開用には連番の画像だけが入っている
公開用フォルダには、出すものだけを入れておく

2. ページ順

ファイル名に 01、02 と番号を付けておくと、その並びがそのまま投稿時の順番になります。

ここでよくあるのが、1、2、10 のように桁を揃えずに付けてしまうパターン。名前順に並べると 1 の次に 10 が来ます。3ページ目が最後にいる、みたいなことが普通に起きます。

見開きで描いたページをどう分割するか、右開き・左開きのどちらで読ませるかも、このタイミングで決めておきます。この扱いは投稿先によって違うので、出す先のヘルプを先に見ておくと安心です。

3. 投稿先に合った画像形式・サイズ

投稿先ごとに、受け付ける画像の形式やファイルサイズの上限が決まっています。しかもこれ、サービスによってけっこう違います。

書き出したあとで「この形式は投稿できません」と言われると、書き出しからやり直しです。地味に時間を持っていかれるので、投稿先を決めてから書き出す、という順番にするのが結局いちばん早いです。

4. 作品タイトル

タイトルは、一覧や検索結果でいちばん先に目に入る部分です。長すぎると途中で切れて表示されることがあるので、前半だけ読んでも何の作品か分かる形にしておくと扱いやすくなります。

ちなみに連載を考えているなら、作品名と話数の書き方もここで決めておくのがおすすめです。1話目と2話目で書き方が変わると、あとから揃えるのがけっこう面倒だったりします。

5. 表紙・サムネイル

一覧に並んだときに表示されるのは、多くの場合1枚目の画像か、指定したサムネイルです。つまり小さく表示される前提で選ぶことになります。

原寸では描き込みまで見えていても、縮小すると何が描いてあるか分からなくなることがあります。書き出した画像を実際に小さくして眺めてみると、判断しやすくなります。

6. 紹介文・あらすじ

紹介文は、読むかどうかを決めるときに見られる部分です。設定をぜんぶ説明する場所ではないので、どんな話なのかが短く伝わることを優先します。

何を書くか迷ったら、誰が出てきて、どういう状況から始まるのか。この2点から書き始めると、だいたい形になります。本編で明かす展開をうっかりここに書かないよう、それだけ気をつけてください。

7. ジャンル・タグ

タグは、その作品を探している人に届くための手がかりです。付けられる数や使い方の決まりは投稿先によって違います。

つい多く付けたくなりますが、内容と関係のないタグが並ぶと、探している人にとっても、たまたま見かけた人にとっても分かりにくくなります。作品に実際に当てはまるものを選びましょう。

8. 公開範囲・年齢制限などの設定

全体に公開するのか、限られた範囲で見せるのか。投稿先によっては、年齢制限や表現に関する申告項目が用意されています。

投稿フォームで聞かれることが多い項目なので、あとから考えるより先に決めておくほうが早く済みます。判断に迷う項目があれば、その投稿先のガイドラインを読んでから投稿します。

9. 著作権・素材の利用条件

自分で描いた絵でも、素材やフォント、写真を組み合わせているなら、その利用条件を確認しておきます。

他人の著作物を利用する場合、著作権法上の例外等に該当しなければ、権利者の許諾が必要になる場合があります。素材の利用条件のほか、著作者人格権や肖像権など、著作権以外の権利についても確認が必要になることがあります。

素材を使うときの確認ポイント3つを並べた図。素材の利用条件、著作権以外の権利、迷ったときの確認先
判断に迷ったら、配布元の条件と公的機関の解説を確認する

10. 投稿後に確認するもの

投稿して終わり、ではありません。公開された状態を自分でも見ておきます。

ページが抜けていないか、順番が入れ替わっていないか、表紙が意図したものになっているか。これは投稿画面ではなく、公開後の表示でしか分かりません。スマートフォンとパソコンでは見え方が変わることもあるので、両方で開いてみると安心です。

10項目を「手を動かすもの」と「決めるだけのもの」に分ける

並べると10個ですが、かかる労力は均等ではありません。片付ける順番を決めるために、一度仕分けておきます。

項目 かかるもの
原稿データ 書き出し作業
ページ順 書き出し作業
画像形式 書き出し作業
タイトル 決めるだけ
表紙 決めるだけ
紹介文 書く時間
タグ 決めるだけ
公開範囲 決めるだけ
素材・権利 調べる時間
投稿後の表示 公開後に確認

このうち「決めるだけ」の5項目は、投稿画面を開きながらでも片付きます。 迷っても、迷っている時間そのものが作業を止めることはありません。

手が止まるのは、残りの二種類のほうです。 紹介文は書く時間が要りますし、素材や権利の確認は調べる時間が要ります。この二つを投稿当日に回すと、そこで確実に止まります。

そしてもう一つ、書き出し作業には順番の縛りがあります。 形式や容量の条件は投稿先ごとに決まっているので、投稿先が決まる前に書き出すと、あとからやり直しになります。

投稿先によって変わる5つの条件

どこに投稿するかによって、準備するものは少しずつ変わります。決める前に見ておくと後戻りが減る点をまとめました。

対応している作品形式

画像を並べる形式なのか、縦に長い1枚の画像なのか、テキストと組み合わせる形式なのか。ここはサービスごとにかなり違います。自分が想定している読ませ方に合うかを、先に確認しておきます。

画像形式や容量

対応形式とサイズの上限は投稿先ごとに決まっています。前の章でも触れましたが、書き出す前に確認しておくと作り直しを避けられます。

投稿後に編集できるか

誤字を見つけたときに差し替えられるか、ページの順番を直せるか。これも投稿先によって違います。初投稿だと直したくなる場面がそこそこあるので、地味に効いてくるポイントです。

公開範囲やガイドライン

表現の扱いや年齢制限の基準は、サービスごとにガイドラインで定められています。投稿してから知るより、先に読んでおくほうが落ち着いて出せます。

権利に関する条件

投稿した作品の扱いは、多くのサービスで利用規約に書かれています。長い文章ですが、自分の作品がどう扱われるかに関わる部分なので、投稿前に目を通しておきましょう。

初投稿で無理にやらなくていいこと

準備の話が続いたので、逆の話もしておきます。最初から全部を完璧にする必要はありません。むしろ初回は省いていいことのほうが多いくらいです。

最初からたくさんのサイトへ同時投稿する

複数のサービスに同時に出すと、それぞれの仕様に合わせて画像を作り直したり、設定を確認したりする手間がそのまま増えます。まずは1か所で公開まで通してみると、何が必要かが体で分かります。

完璧な宣伝計画を作る

告知の方法を考え込んでいるうちに、公開そのものが遠のいていく。これ、けっこうあるあるです(笑)。告知は公開してからでもできます。

最初の数字だけで作品の良し悪しを決める

公開直後の閲覧数や反応は、作品の内容以外の要素にもかなり左右されます。1作品の最初の数日だけで判断できることは、正直あまり多くありません。

フォロワーが増えるまで公開を待つ

見てくれる人が増えてから公開したい、という気持ちは分かります。ただ、公開されている作品があること自体が、見つけてもらう入り口になります。

架空の初投稿で、10項目の順番を確かめる

仕分けと順番の話を、一本の流れとして通してみます。

20ページの読み切りを1本、初めてネットに出す場合を考えます。

最初にやるのは、素材と権利の確認です。 使ったフォントや背景素材の配布元を開き、公開してよい範囲を読みます。ここは作業量が読めないので、いちばん前に置きます。読んだ結果、素材を差し替えることになっても、この時点なら原稿を直すだけで済みます。

次に投稿先を1つ決めて、その公式ヘルプを読みます。 画像の形式、1枚あたりの容量、見開きの扱い、投稿後に差し替えられるか。ここが決まらないと、書き出しの設定が決まりません。

そのあとで書き出します。 連番を揃えた画像だけを公開用フォルダに入れ、ページの抜けと順番をその場で見ます。この時点で1回通して見ておくと、投稿画面で気づくより直すのが楽です。

画像ができてから、タイトル・表紙・紹介文・タグを決めます。 順番が逆でないのには理由があって、書き出し済みの画像が並んでいると、表紙の候補も紹介文の書き出しも選びやすくなるからです。

最後に公開範囲を決めて投稿し、公開された画面を自分で開きます。 スマートフォンとパソコンの両方で見ます。

この並びの要点は、やり直しが起きうる作業を後ろに置かないことです。 権利と投稿先という「あとから変わると全部に響く」二つを先に固めてしまえば、書き出し以降は一本道になります。逆に、先に高解像度で書き出してから投稿先を選ぶと、容量の条件次第で書き出しからやり直すことになります。

漫画公開前チェックリスト

投稿ボタンを押す前に、次の10点を確認します。

確認すること 見るところ
原稿データ 公開するのは最終版か
ページ 抜け・重複・順番
画像 形式・サイズ・容量
タイトル 一覧で切れても分かるか
表紙 小さくても読み取れるか
紹介文 何の話かが伝わるか
タグ 作品に当てはまるか
公開範囲 年齢制限などの申告
素材・権利 利用条件を確認したか
投稿後の表示 公開後の画面を見たか

結局、初公開で決めるべきは「順番」と「どこで止まるか」

10項目を覚える必要はありません。この記事で持って帰っていただきたいのは、項目そのものより、次の二つです。

一つめは、手が止まるのは決められない項目ではなく、時間のかかる項目だということ。 タイトルや表紙は迷っても投稿画面の前で決まりますが、権利の確認と紹介文はそうはいきません。準備が終わらない原因は、たいていこの二つを後回しにしたことにあります。

二つめは、やり直しが起きる作業を後ろに置くということ。 投稿先と権利が決まっていない状態で書き出すと、条件次第で書き出しからやり直しになります。逆にこの二つさえ先に固めておけば、残りは一本道です。

この3つが済んでいれば、残りは投稿画面を開きながらでもだいたい決められます。並べると多く見えますが、一度通してしまえば次からは同じ手順の繰り返しで、2作目からはタイトルの付け方も紹介文の書き方も前回のものが下敷きになります。

初回で狙うのは、うまく出すことではなく最後まで出し切ることです。 公開してみて初めて分かることのほうが多いので、まずは1作品を通してみてください。

参考情報

投稿先の仕様やガイドラインは更新されることがあります。投稿前に、利用するサービスの公式ヘルプで最新の条件を確認してください。

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