誰の視点で描かれている?漫画の視点を読む
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内側の言葉が誰のものか、誰が知っていることまでが描かれているか。知らないことは出てこないという性質を手がかりに、視点を読む方法をまとめました。近さや大きさでは決まりません。誰が重要かを決める話でもありません。
誰の側から読んでいるか
漫画を読んでいると、知らないうちに誰かの側に立って読んでいることがあります。
その人が思ったことが出てきて、その人が見たものが描かれている。それが視点と呼ばれているものです。
知らないことは出てこない
この記事で言いたいのは、次の一つです。
誰かの側に立っている間は、その人が知らないことが描かれません。 出てこないこと自体が手がかりになります。
だから、空いているところを見ます。 何が描かれているかと同じくらい、何が描かれていないかが効きます。
空いているほうが劣っている、という話ではありません。 描かないことで成り立っている読み方です。
図でも、空いた側に印を付けていません。 罰の印も、斜線も置いていません。
内側の言葉・知る範囲・見えるもの
| 気づくところ | 何を見るか |
|---|---|
| 内側の言葉 | 誰のものか |
| 知っている範囲 | 誰が知るか |
| 知らないこと | 描かれない |
| 見えているもの | 誰の目か |
| 入れ替わり | 途中で変わる |
| 誰にも寄らない | 外から見る |
六つとも、誰が偉いかという話ではありません。 立っている場所を見ているだけです。
六つがそろう作品もありません。 一つだけで分かることもあります。
内側の言葉と、知っている範囲
声に出していない言葉が出てきたら、それが誰のものかを見ます。 そこがいちばん分かりやすい手がかりです。
次に、話がどこまでを知っているかを見ます。 その人が知らないはずのことが出てきたら、側が変わっています。
ただし、言葉が出てこない作品もあります。 そのときは、見えているものだけで読みます。
途中で入れ替わることがある
途中で別の人の側に移ることがあります。 章が変わるところで起きることもあります。
入れ替わったからといって、どちらかが中心ということはありません。 立つ場所が変わっただけです。
入れ替わりに気づかなくても構いません。 読み返したときに分かることもあります。
入れ替わる場所を見つける
途中で側が移るとき、変わり目に手がかりが置かれることがあります。
章や話の変わり目。 そこで移ることがいちばん多くあります。
場面が変わるところ。 場所が変われば、そこにいる人も変わります。
内側の言葉が別の人のものになるところ。 そこが移った印です。
その人が知らないはずのことが描かれたところ。 側が移っています。
変わり目が分からないこともあります。 読み返すと見つかることがあります。
誰にも寄っていないこともある
誰の側にも立たず、外から見ているだけの作品もあります。 内側の言葉が一つも出てきません。
そのときは、無理に誰かを当てはめません。 寄っていないことが、その作品の形です。
寄らないから分かりにくい、ということでもありません。 見え方が違うだけです。
近さや大きさは決め手にならない
近く描かれた面と、遠く描かれた面を並べても、視点の人は決まりません。
どこから見えているかと、誰の側に立っているかは、別のことです。 一致していることもあれば、していないこともあります。
だから、近さで決めずに、内側の言葉と知っている範囲を見ます。 そちらのほうが外れにくくなります。
語りの言い方と側の関係
内側の言葉の言い方でも、立っている場所が見えます。
「わたし」「おれ」と出てくる形。 その人の側にいます。
名前で書かれている形。 外から見ている言い方です。
誰のものか書かれていない形。 前後から読むことになります。
言い方が途中で変わることもあります。 そこで側が移っていることがあります。
言い方だけで決めきれないこともあります。 知っている範囲と合わせて見ます。
誰が重要かを決める話ではない
視点の人が、いちばん重要な人とは限りません。 立っている場所と、話の中での位置は別です。
重要さを数えることもしません。 出番の量も、中心にいる度合いも、この記事では扱いません。
視点が複数ある作品の型そのものは、別の記事のものです。 ここでは、いま誰の側かを見るところまでにします。
図でも、人にあたる欄はすべて同じ大きさにしています。 並べ方で順位を作らないためです。
作り方の話には入らない
分からないまま読む
最後まで誰の側か決まらない作品もあります。
決まらないまま読み進められます。 見分けがつかないと読めない、ということはありません。
読み終えてから振り返ると分かることがあります。 全体を見ると、寄っていた側が見えます。
二度目に読むと変わることもあります。 一度目と違う側から読めることがあります。
決めずに置いておけます。 空けたままで困りません。
作った場面で試す
見分け方を試すために、場面を四つ用意しました。 どれもこちらで書いたもので、実在の作品ではありません。
四つとも、誰が中心かを決めていません。 立っている場所を見ているだけです。
内側の言葉・知る範囲・入れ替わりを見る
手を動かすのは、次の五つだけです。
| 見るところ | どう確かめるか |
|---|---|
| 内側の言葉 | 誰のものか |
| 知らないこと | 出てこないか |
| 入れ替わり | 変わったか |
| 近さ | 決め手にしない |
| 順位 | 付けない |
空いた欄があっても進めます。 内側の言葉が見えていれば読めます。
内側の言葉を見るところから
視点を読むのに、身構える必要はありません。近さで決めるのではなく、内側の言葉が誰のものかを見ること。
誰の言葉だったか、知らないはずのことが出てこなかったか、途中で変わらなかったか。そこまで見えれば、次の場面も同じように読めます。
そして、誰の側か決まらないまま読み終えても構いません。 決めないほうが合っている作品もあります。