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漫画の制作途中をSNSで発信する方法|投稿内容と紹介文の例

公開日

完成作品がなくても発信できる、漫画の制作過程の見せ方をまとめました。ラフやネーム、制作メモなど投稿できる7つのネタと、そのまま使えるキャプション例、公開前に確認したい注意点つきです。

「漫画の制作途中をSNSで発信する方法」を表したイラスト

完成作品がなくても、制作途中は発信できる

「SNS を始めてみたものの、投稿するものがない」

そう感じている方は、けっこう多いのではないでしょうか。完成した漫画ができたときしか投稿できないと思っていると、次の投稿まで数週間、ときには数か月空いてしまいます。

でも、描いている時間のほうが圧倒的に長いんですよね。その長い時間のほうを見せてはいけない決まりは、どこにもありません。

制作途中を見せることには、実務的な利点があります。投稿のネタが作品の完成ペースに縛られなくなること。そして、作品がどんな空気を持っているかを、完成を待たずに伝えられることです。

反応がどれだけ増えるかは、作品にもタイミングにも左右されるので、ここでは約束しません。ただ、投稿できるものが増えるという一点だけは確実です。

制作途中で投稿できる7つのネタ

何を出せばいいか分からないときは、作業の工程をそのまま候補として見てみてください。

漫画の制作過程で投稿できる7つの題材。ラフ、ネーム、表情、下描きと線画、背景と小物、制作メモ、今日の進捗
工程がそのまま投稿の候補になります

1. ラフ

一番気楽に出せるのがラフです。線が荒いこと自体が「途中である」と伝えてくれるので、説明をあまり足さなくて済みます。

構図を何パターンか並べて「どれがいいか迷っている」と添えるのも、読む側にとって分かりやすい形です。

2. ネームの一部

コマ割りと簡単な絵で物語の流れを組んだ段階のものです。全ページではなく、1 ページぶん、あるいは数コマだけを切り出すのがおすすめです。

物語の核心に触れない範囲を選べば、ネタバレの心配もほとんどありません。

3. キャラクターの表情

同じキャラクターの表情を数種類並べたものは、単体で見ても分かりやすい題材です。作品を読んでいない人にも、キャラクターの性格が伝わります。

4. 下描きから線画へ

同じ絵の変化を 2 枚並べる形です。作業として何が起きたのかが一目で分かるので、絵を描かない人にも伝わりやすいのが利点です。

下描きと線画を並べた作例。左が下描き、右が線画で、目線の角度が変わっている
同じ絵の前後を並べると、変化がそのまま説明になります

5. 背景や小物

キャラクター以外を描いている時間も、作品づくりの一部です。部屋の間取り、よく出てくる道具、店の看板。作品の世界がどんな場所なのかを見せられます。

6. 制作メモ

設定のメモ、名前の候補、プロットの断片。手書きのメモをそのまま撮るだけでも成立します。ただし、後で触れるとおり未公開の情報が写り込んでいないかは確認してください。

7. 今日進んだところ

一番続けやすいのがこれです。「下描きが 3 ページ終わった」だけでも投稿になります。作品そのものを見せなくても、進み具合は共有できます。

完成作品では起きないのに、途中の絵では起きること

出しやすい反面、完成作品を出すときには起きにくい問題がいくつかあります。共通しているのは、途中の絵ほど「まだ整理されていないもの」がそのまま写るという点です。

ネタバレ

途中の絵には、結末やしかけが写り込むことがあります。ネームは特にそうです。投稿する前に、その画像だけを見た人に何が伝わるかを一度考えてみてください。

隠す方法は難しくありません。範囲を狭く切り取る、コマの一部だけを出す、あるいは物語の前半から選ぶ。それだけでたいてい足ります。

第三者の素材

背景素材やブラシ、フォント、トーンなどを使っている場合、その素材の利用条件に投稿の扱いが書かれていることがあります。完成作品での使用は認められていても、素材そのものが大きく写る画像の公開は別に扱われる場合があります。

共同制作の場合も同じです。他の方が描いた部分を含む画像を出すときは、事前に確認しておくと安心です。

未公開の情報

持ち込みや連載の予定、コンテストへの応募、担当の方とのやり取りなど、まだ公表していない話が画像や文章に含まれていないかを確認してください。

契約や規約で公開の時期が決まっていることもあります。判断に迷う場合は、関係する方へ確認してから投稿するのが確実です。

個人情報と作業環境

作業机を撮るタイプの投稿では、写り込みに注意が必要です。

  • 郵便物や名札などに書かれた氏名・住所
  • 画面に出ている通知やメールの件名
  • 窓の外の景色や、近所と分かる目印
  • ファイル名やフォルダ構成に含まれる情報

撮ってすぐ投稿せず、一度拡大して端まで見る習慣をつけておくと安全です。

出していいかを、1枚ごとに決める順番

四つ並べると多く見えますが、毎回すべてを同じ重さで考える必要はありません。 順番に見ていくと、たいていは途中で「問題なし」に着きます。

最初に見るのは、自分以外の権利が写っているかどうかです。 他の方が描いた部分、配布素材、フォント、写真。ここに該当があるなら、配布元の条件を読むまで投稿は保留します。この一つだけは、あとから消しても取り消せない種類の問題なので、先頭に置きます。

次に見るのは、まだ公表していない予定が写っていないかです。 持ち込み、応募、連載の話。画面のメールや紙のメモに入り込みやすいところです。判断に迷ったら、関係する方に確認するまで出しません。

三つめが写り込みです。 氏名、住所、通知、窓の外、ファイル名。ここは画像を加工すれば解決するので、該当があっても投稿そのものは止まりません。 切り取るか、隠すか、撮り直すかを選ぶだけです。

最後がネタバレです。 結末やしかけが読めてしまうかどうか。これも範囲を狭く切れば解決しますし、どこまで見せるかは自分で決めてよいことです。 読者の驚きを守りたいかどうかという、作品ごとの判断になります。

この順番で見ても引っかからない題材が、いちばん出しやすい題材です。 自分の絵だけで構成された表情の並びや、今日進んだところの報告は、多くの場合そのまま出せます。出しやすいものを2〜3個決めておくと、毎回この判断をやり直さずに済みます。

投稿文が思いつかないときの3つの型

画像は用意できても、添える文章で止まってしまう。これもよくある話です。型を持っておくと、毎回ゼロから考えずに済みます。

投稿文の3つの型。今日やったこと型、迷っていること型、ビフォーアフター型
型に当てはめると、書き出しで止まりにくくなります

今日やったこと型

作業の内容をそのまま書く形です。事実を書くだけなので、一番迷いません。

進んだページ数、描いた部分、手こずったところ。うまくいかなかった日も、そのまま書けば投稿になります。

迷っていること型

決めきれていないことを書く形です。表情の選択、構図、色。迷いを見せることは、作品が雑であることを意味しません。 むしろ、どこを大事にしているかが伝わります。

意見を求める形にしてもいいですし、ただ迷っていると書くだけでも成立します。

ビフォーアフター型

変化を見せる形です。ラフと線画、修正前と修正後。2 枚並べると、文章で説明する量がぐっと減ります。

キャプション例を実際に作ってみる

型だけでは使いにくいので、具体的な文例を挙げます。すべて説明用に作った架空の作品のものです。そのまま使うというより、自分の作業に置き換える下敷きとして見てください。

ラフ・迷っていること型

主人公の表情を決めるところ。笑顔より、少し困っている顔のほうがこの場面には合いそうで迷い中です。

ビフォーアフター型

左が最初のラフ、右が線画。目線を少し変えたら、二人の距離が近く見えるようになりました。

今日やったこと型

今日は 3 ページ分の下描きまで。背景に時間を取られたので、続きは明日に持ち越しです。

ネームの一部

物語が動き出すところのネームです。ここのコマ割りだけ、何度も描き直しています。

キャラクターの表情

主人公の表情いろいろ。基本は無愛想なんですが、食べ物のことになると急に顔が変わる子です。

背景・小物

作品によく出てくる喫茶店の内装を決めました。カウンターの高さで席の雰囲気が変わるので、そこだけ念入りに。

制作メモ

名前の候補を書き出していたメモ。結局、最初に書いた案に戻りました(笑)。

うまく進まなかった日

今日は線が決まらず、ほとんど描き直しで終わりました。こういう日もあります。明日は下描きから。

最後の例のように、進まなかった日をそのまま書いても問題ありません。 制作の実際は、順調な日ばかりではないからです。

1回の投稿に全部説明しなくていい

制作途中の投稿でつまずきやすいのが、「この絵だけ出しても分からないのでは」という不安です。

そこで設定を説明し、あらすじを足し、注意書きを添える。気づけば長い文章になっていて、画像より文字のほうが目立っている……というのは、よくある流れです。

分からない部分が残っても、それ自体は失敗ではありません。制作途中の投稿は、作品を完全に理解してもらうためのものではないからです。

投稿頻度を無理に決めなくてもいい

「毎日投稿したほうがいいのでしょうか」という疑問は、よく聞きます。

ここははっきり書いておきます。投稿の頻度や時間帯について、この記事では「こうすると伸びる」という言い方をしません。 各サービスの仕様は変わりますし、公式に示されていない限り、それを断定する根拠がないからです。

代わりに、続けるための考え方だけをお伝えします。

  • 決めた頻度を守れないと、投稿そのものが負担になります
  • 制作が忙しい時期に無理をすると、作品の進みが遅くなります
  • 空いた期間があっても、再開してはいけない決まりはありません

なお、画像の枚数や本文の文字数、動画の長さといった仕様は、投稿先のサービスによって異なります。実際に投稿する前に、利用しているサービスの公式ヘルプで最新の仕様を確認してください。

制作過程を投稿する前のチェックリスト

投稿ボタンを押す前に、ひととおり見ておきたい項目をまとめました。

制作過程の投稿前に確認したい項目のチェックリスト
迷ったときはここへ戻ってきてください
確認すること 見るところ
ネタバレ 画像全体、特にネームのコマ
第三者の素材 利用条件に公開の記載がないか
共同制作 他の方が描いた箇所がないか
未公開の予定 持ち込み・応募・連載の話
写り込み 氏名、住所、通知、窓の外
ファイル名 画像に含まれる文字
文章の長さ 説明を足しすぎていないか
画像の向き 上下や左右が意図どおりか

結局、続くかどうかを決めるのは「毎回考え直さない仕組み」

ネタを7つ、型を3つ、確認を4つ並べましたが、発信が止まる理由はネタ切れよりも、1回ごとの判断が重いことのほうです。 何を出すか考え、文章を考え、出していいかを考える。この三つを毎回ゼロからやると、描く時間が削れて、そのうち投稿しなくなります。

だから決めておくのは、自分が出しやすい題材を2〜3個と、その題材で使う型を1つです。 表情の並べ替えは「今日やったこと型」で出す、ラフは「迷っていること型」で出す、と決めてしまえば、投稿のたびに考えるのは中身だけになります。

確認も同じで、権利の絡まない題材を選んでいる限り、毎回の確認は写り込みを見るだけに縮みます。 四つ全部を毎回なぞる必要はありません。

制作途中の発信は、完成作品が用意できないときの代わりではありません。どんな迷いを経てその 1 コマになったのか、どこに時間をかけたのか。それは完成した絵だけを見ても分からない部分で、描いている人にしか出せないものです。

うまく書けない日や、進まなかった日があっても大丈夫です。そのこと自体も、制作の記録として十分に読まれる内容です。

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