オムニバス漫画とは|短い物語がつながる形式
公開日
いくつかの短い話が、人物や舞台やテーマで結ばれている形です。共通人物・共通舞台・共通テーマ・ゆるいつながりという四つの結ばれ方を、架空の三つの話で見ていきます。共通点の数は数えません。
短い話がいくつか入っている
一冊、あるいは一つの連載の中に、短い話がいくつか入っていることがあります。
それぞれの話は別のものですが、何かでつながっていることがあります。 オムニバスと呼ばれているのは、こうした形です。
つながり方は一つではない
この記事で言いたいのは、次の一つです。
三つの話は、同じ大きさで並んでいます。 どれが中心ということはありません。
土台に置いたものは、一例です。 いつも舞台が共通している、という意味ではありません。
つながりの強さは描いていません。 土台の厚さも濃さも、いつも同じにしてあります。
話と土台を線で結んでもいません。 乗っていることだけを見れば足ります。
共通人物・共通舞台・共通テーマ・ゆるいつながり
| つながり方 | 何が共通か |
|---|---|
| 共通人物 | 同じ人が出る |
| 共通舞台 | 同じ場所で起きる |
| 共通テーマ | 扱うことが近い |
| ゆるいつながり | かすかに触れる |
四つとも同じ大きさで並べています。 強い順ではありません。
この四つで全部でもありません。 ほかの結ばれ方もあります。
共通人物と共通舞台
前の話に出ていた人が、別の話にも出てくることがあります。 主役でないこともあります。
同じ場所で別の出来事が起きる、という結ばれ方もあります。 人はまったく入れ替わります。
どちらか一方だけ、ということもあります。 両方そろう必要はありません。
共通テーマと、ゆるいつながり
扱っていることが近い、という結ばれ方もあります。 人も場所も重ならないことがあります。
かすかに触れているだけのこともあります。 別の話の出来事が一言だけ出てくる、という形です。
気づかなくても読めます。 気づくと、あとでつながって見えることがあります。
結ばれ方を見る六つ
六つとも、当てはめるためのものではありません。 どう結ばれていたかを見るだけです。
全部そろう作品もありません。 一つ見えていれば足ります。
時間でつながることもある
四つのほかに、時間で結ばれている形があります。
同じ時期の別の場所で起きた話。 人も場所も違いますが、同じ日のことです。
前の話の少しあとを描いた話。 続きではなく、時間だけが並んでいます。
同じ出来事を別の人の側から描いた話。 時間が重なっています。
| 時間の結ばれ方 | 読んだときの見え方 |
|---|---|
| 同じ時期 | 並んで起きている |
| 少しあと | 後日の様子 |
| 同じ出来事 | 別の側から |
時間の結ばれ方は、読み終えてから気づくことがあります。
共通点の多さは強さではない
共通しているものが多いほど強くつながっている、ということはありません。
だから、数えません。 数えると、数の多い作品のほうが優れているように見えてしまいます。
図でも、線の太さや重なりの広さで差を付けていません。 どの結ばれ方も同じ描き方にしてあります。
一つだけで十分つながって読めるものもあります。 数と結び付きは別のことです。
つながりに気づく場所
結ばれ方は、分かりやすく書かれているとは限りません。 気づきやすい場所を挙げます。
人の名前。 前の話で出た名前が、会話の中に出ることがあります。
場所の名前。 同じ店や町の名前が出ることがあります。
日付や季節。 同じ時期だと分かることがあります。
小さな物。 前の話に出た物が、背景に置かれることがあります。
気づかないまま読み終えても構いません。 一つ一つの話は、それだけで読めます。
順番は決まっていないこともある
どの話から読んでも構わないものがあります。 入れ替えても成り立つ形です。
一方で、順番に意味があるものもあります。 あとの話で前の話が効いてくることがあります。
どちらが正しいということはありません。 作品ごとに違います。
一話だけ読むとき
全部を読まずに、一話だけ開くこともできます。
その一話の中で話が済んでいるかを見ます。 済んでいれば、そこだけで読めます。
知らない名前が出てきても構いません。 ほかの話に出ている人のことがあります。
つながりが分からなくても読めます。 結ばれ方は、読んだ話の数だけ見えてきます。
気に入ったら、前後の話へ広げられます。 どちらの向きへでも進めます。
作者の数の話は別のところ
作りごとの話で見る
結ばれ方の見方を試すために、作りごとの場面を四つ挙げます。 実在の作品のものではありません。
四つとも、多い少ないを書いていません。 何で結ばれていたかだけを残しています。
区切り・人・場所・結ばれ方を見る
最後に、この五つだけ確かめます。
| 見るところ | 見方 |
|---|---|
| 話の区切り | どこで変わるか |
| 出てくる人 | また出てくるか |
| 場所 | 同じところか |
| つながり方 | 何で結ばれるか |
| 決めつけ | 数を数えない |
埋まらない欄があっても進めます。 結ばれ方が一つ見えていれば足ります。
つながりを見るところから
オムニバスを読むのに、身構える必要はありません。数を数えるのではなく、何で結ばれているかを見ること。
話がどこで変わったか、同じ人や場所が出てきたか、何がつないでいたか。その三つが拾えていれば、迷わずに読み進められます。
つながりに気づかないまま読み終えても構いません。 一つ一つの話は、それだけでも読めます。