縦読み漫画のネームを作る|画面単位で流れを確認する
公開日
縦にスクロールして読む形式では、見開きの代わりに一画面へ入る範囲が単位になります。架空の縦長ネームを画面ごとに区切り、どこで切れるかと間をどう使うかを決めるところまでをまとめます。縦読みが上位という話ではありません。
見開きが無いと、区切りが決まらない
縦にスクロールする形式でネームを描くと、どこで一区切りなのかが決めにくくなります。
紙のように開いた面がないので、見せ場の置き場所が浮きます。 端が無いからです。
そこで、一画面に入る範囲を単位として置きます。 区切りがそこで決まります。
コマ・画面・間の三つの単位
| 単位 | 決めること |
|---|---|
| コマ | 何を映すか |
| 画面 | 同時に見えるもの |
| 間 | 次までの時間 |
コマ単位では、縦でも紙でも決めることは変わりません。
画面が縦読み固有の単位です。 同時に目へ入るものが、そこで決まります。
間は空白の長さです。 縦では、これが次の画面へ移るまでの時間になります。
縦のネームを画面ごとに分ける
縦長のネームは、見本として一から引いたものです。 配信されている作品を写し取ってはいません。
境目は、スクロールを止めたときに端が来る位置です。 そこで一度読みが切れます。
一つの画面に入れるコマ数は決まっていません。 一つのこともあれば、三つ入ることもあります。
見せたいものが境目をまたぐと、効きが落ちます。 そこだけ位置を動かします。
間が時間になる
空白を長く取ると、次のコマが来るまでに時間が挟まります。
詰めると、二つがほぼ同時に見えます。 二コマは同じでも、届き方が入れ替わります。
左右の二本に置いたコマは同一です。 二本の違いは空白の長さに限られます。
正しい側がどちらかに決まってはいません。 場面で使い分けます。
縦読みで決めつけないこと
残すのは、画面の境目を先に置くことと、間の長さを場面ごとに決めることの二つです。
境目に何を置くか
画面の境目は、めくりに近い働きをします。 何を置くかで効きが変わります。
答えを置きません。 境目の手前に答えが出ると、その先へ進む理由が減ります。
問いや視線の先を置きます。 続きが次の画面に来ます。
空白だけを置く形もあります。 間がそのまま境目になります。
見せたいコマを境目にまたがせません。 上下に割れて、どちらでも効きません。
切りたくない場面では、境目を意識せずに流せます。 全部の境目を作り込まなくて構いません。
詰めて見せる場面もある
間を空けるほうが常に良いわけではありません。
やりとりが続く場面は、詰めたほうが速さが出ます。 空白を挟むと会話が止まります。
動きの途中も詰めます。 途切れると別の動作に見えます。
空けるのは、時間か場所が変わるところで足ります。
画面の高さは読み手で変わる
境目の位置は、一点には決まりません。 端末によって一画面に入る高さが違うからです。
境目は「このあたり」で足ります。 正確な位置を決めても、そのとおりには止まりません。
見せたいコマの前後に余裕を取ります。 少しずれても割れません。
画面いっぱいの大ゴマは、高さに気を付けます。 入り切らないと、上下が別々に見えます。
確かめるときは、縦のいちばん短い画面で見ます。 そこで通れば、広い画面でも通ります。
ページのネームから移すとき
紙用に描いたものをそのまま縦へ流すと、見開きの効果が消えます。
左右に広げていたものは、上下へ置き直します。 同時に見せたいものを一画面へ入れます。
めくりで隠していたものは、境目で隠せます。 役割としては近い位置にあります。
全部を描き直さずに、境目だけ決め直せば通ることもあります。
コマ割りの記事との前後
読む順番と見せ場を作るコマ割りの手順は、単独の記事になっています。
向こうは面の中で順を作る話で、ここでは面そのものがありません。
コマの中身の決め方は共通して使えます。 変わるのは置く器です。
先にあちらを読んでおくと、境目の判断が早くなります。
ネームの描き方の記事との違い
ページに物語を置く工程は、紙の形式を前提にした記事が扱います。
向こうの単位は紙の枚数で、ここでの単位は画面です。
どちらも同じネームの工程ですが、単位が違います。 枚数で考えるか、画面で考えるかです。
紙の形式で作るなら、あちらだけで足ります。
横幅をどう使うか
縦読みでは横幅が固定されます。 使い方を決めておきます。
幅いっぱいに使うと、そこで目が止まります。 見せたいコマに向きます。
幅を狭めて中央へ置くと、周りに余白ができます。 間を作る形です。
左右に二つ並べると、同時に起きていることを置けます。 三つ以上は読みにくくなります。
幅の使い方を場面ごとに変えると、変えたこと自体が合図になります。
境目・またぎ・間を確かめる
| 見るところ | 確認すること |
|---|---|
| 境目 | 位置を決めたか |
| またぎ | 見せ場が割れないか |
| 間 | 場面ごとに変えたか |
| 詰め | 続く場面は寄せたか |
| 高さ | 画面に収まるか |
一画面だけ、区切りを決めてみる
いま描いている縦のネームがあるなら、最初の区切りを一つだけ置きます。
そこまでを一画面として読み返します。 入り切らなければ、境目を上へ動かします。
一つ決まれば、次の境目は同じ間隔で置けます。 以降の境目は、そこを物差しにして並べられます。