COMISTA JOURNAL漫画を楽しむ・知る

連作短編の漫画とは|独立した話と共通する世界

公開日

一話ずつ読み終わるのに、同じ世界の続きでもある。この二つが同時に成り立っている形です。各話が自分の区切りを持ちながら、一本の土台の上に乗っている様子を、こしらえた四つの話で並べました。中心にいる人が入れ替わる、とも限りません。

「連作短編の漫画とは」を表したイラスト

一話ずつ終わるのに、同じ世界にいる

読み終わったはずなのに、次の話でも同じ場所が出てくる。そういう作りに出会うことがあります。

これは、一話ずつ完結していることと、世界を共有していることが同時に成り立っている形です。 二つのうち一つを選ぶ作りではありません。

片方だけを見ると、説明が付かなくなります。 完結しているのに続いている、という読み心地は、二つが重なっているから起きます。

各話は閉じていて、土台は続いている

四つの話がそれぞれ閉じた区切りを持ちながら、一本の共通の土台に乗っている図
四つの話にはそれぞれ始まりと終わりがあります。下の帯は切れていません

図の四つは、それぞれ自分の始まりと終わりを持っています。 どの一つを開いても、その中で話が済みます。

下の帯は切れていません。 どの話も同じ土台の上にあります。

この上下が同時に成り立っているのが、この形の特徴です。 帯が切れていれば別々の短編集になりますし、各話が閉じていなければ続き物になります。

四つに上下はありません。 図の左右も、読む順の指定ではありません。

閉じ方には幅がある

次へ持ち越す問いが無い話と、少しだけ持ち越す話を並べた図
どちらもこの形に入ります。閉じ方に幅があるだけです

閉じている度合いのほうは、作品ごとに違います。

次の話へ何も持ち越さない作りもあれば、小さな問いだけを残していく作りもあります。 どちらもこの形に入ります。

持ち越しがあるほど続き物に近い、という並べ方はしません。 一話の中で読み終われるなら、そこは変わりません。

読んでいて心地よいほうを選べば十分です。 閉じ方の幅で仕分ける必要はありません。

何を共有するかは、作品ごとに違う

見るところ 確認すること
区切り 一話で終わるか
土台 前の話と地続きか
持ち越し 次へ残る問いがあるか
順番 決まっているか

共有されるものが何なのかは、一冊ごとに違います。

場所が同じこともあれば、出てくる人が同じこともありますし、扱っている事柄だけが同じこともあります。 一つに決まっていません。

本式はこれ、と決める話でもありません。 共有の仕方の分け方そのものは、隣の記事が受け持っています。

土台があるかどうか。ここではそこだけを見ます。

連作短編で決めつけないこと

見ておきたいのは、一話で終わるかと、土台が続いているかの二つだけです。

中心の人は入れ替わらなくてよい

一人を追い続ける作りも、ここに含まれます。

一話ごとに違う人を追う作りのほうが目立ちますが、中心が動かないまま、出来事だけが一話ずつ完結していく作品もあります。

どちらも、一話で終わるという点は同じです。 そこが保たれていれば、中心が誰かは関係ありません。

人が入れ替わることを条件にすると、多くの作品が外れてしまいます。

持ち越しの大きさを見る

次の話へ何を残すかは、作品ごとに違います。

何も残さない。 読み終えたところで完全に落ち着きます。

小さな問いを残す。 次の話で触れられることがあります。

人物の関係だけが進む。 出来事は毎回済みますが、関係は動いていきます。

持ち越すもの 読み心地
何もなし 一話ずつ独立
小さな問い 先が気になる
関係 積み重なる

どれでも一話で読み終われます。 持ち越しの大きさは、この形かどうかを決めません。

読む順が決まっているとも限らない

前から順に読むことを前提にしていない作りが多くあります。

途中から読んでも、その話の中で必要なことは示されます。 前の話を知っていると少し分かる、という置き方をしていることが多いところです。

順番があるものも、もちろんあります。 時間が進んでいく作りなら、順に読むほうが自然です。

どちらかを正しい読み方として決めなくて構いません。

土台に置かれるもの

共通している土台が何なのかは、読んでいるうちに見えてきます。

場所。 同じ店、同じ町、同じ学校が出てきます。

人。 中心の人が同じことも、脇の人が重なることもあります。

仕事や役目。 同じ職の人たちの話が並ぶことがあります。

時期。 同じ季節や同じ年のことが続きます。

二つ以上重なっていることもあります。 一つだけのこともあります。

土台が何かを言葉にできなくても、続いていることは分かります。

どこから読んでも困らない作りが多い

手に取った一話から読み始めても、たいてい困りません。

その話の中で人物や場所が説明されるので、前を読んでいなくても止まらずに進めます。

読んだあとで前の話に戻ると、分かることが増えます。 戻る楽しみが残っている、という読み方もできます。

全部そろえないと読めない、ということはあまりありません。

まとめて読むとき

一話ずつ読める形ですが、続けて読むこともできます。

続けて読むと、土台のほうが見えてきます。 一話だけでは気づかない重なりが出ます。

同じ場所や人が何度も出ることに気づきます。 そこが土台です。

一気に読むと、一話ずつの区切りが薄く感じられることがあります。 間を置いて読むと戻ります。

どちらの読み方でも成り立ちます。 形が変わるわけではありません。

どこから隣の記事になるか

形の似た記事が並ぶので、受け持ちの違いをここで示します。

短い話どうしの結ばれ方を分ける記事は、つながり方の種類を見ています。 あちらが扱うのは何で結ばれているかの分け方です。

ここで見るのは、各話が閉じていることと土台が続いていることが同時に成り立つ点です。 分け方そのものには入りません。

一作で読み終わる形そのものを扱う記事とも別です。 そこでは一作と続きものを対にして見ています。

話・巻・シリーズの区切りを扱う記事とも重なりません。

完結・土台・中心を見る

見るところ 確認すること
完結 その話で済んだか
土台 同じ世界だったか
中心 人が変わったか見たか
順番 前提にしてないか
数 多さで測ってないか

一冊で確かめてみる

手元にそれらしい一冊があれば、途中の一話だけを開いてみます。

その話だけで読み終われたか。読み終われたなら、各話は閉じています。

次の話で、同じ場所か同じ人が出てくるかを見ます。 出てきたら、土台のほうも続いています。

この記事の内容に誤りを見つけた場合は お問い合わせ からお知らせください。編集方針は こちら にまとめています。