冒険漫画とは|目的地と道中の変化を楽しむ
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遠くへ行くことだけが冒険ではありません。出発点・目的・途中の出来事・選択・出会い・関係の変化・目的の変化・終わり方という八つの軸で、道のりで何が変わったかを読む見方をまとめました。到達も帰還も、成功の印としては扱いません。
遠くへ行くことだけではない
冒険と聞くと、遠い場所へ移動する話が浮かびます。
けれど、そう呼ばれる作品を並べてみると、移動した距離はばらばらです。 同じ町の中だけで進む話もあります。
道のりは折れ線で、まっすぐではない
この記事の要はここです。
道のりは、上下に振れながら進みます。 まっすぐ一本で進む話は、あまりありません。
停留点に番号も距離も付けません。 どれが大きな出来事かは、読む人によって違います。
地図でもありません。 方角も、縮尺も、地名も要りません。
そして、出発のときの目的と、いまの目的を並べて置きます。 二つが違っていても、道のりは続いています。
見る軸は八つ
| 見る軸 | 何を見るか |
|---|---|
| 出発点 | どこから出るか |
| 目的 | 何を目指すか |
| 途中の出来事 | 何が起きるか |
| 選択 | どちらを選ぶか |
| 出会い | 誰と会うか |
| 関係の変化 | どう変わるか |
| 目的の変化 | 途中で変わるか |
| 終わり方 | どう終わるか |
八つが全部そろう必要はありません。 出てこない軸もあります。
軸ごとに別々に控えます。 まとめて一言にすると、そこで食い違いが起きます。
出発点と、最初の目的
どこから出たかは、あとで効いてきます。 戻る場所があるかどうかが、そこで決まります。
最初の目的は、はっきりしていないこともあります。 追い出された、流された、付いていった。
目的が曖昧なまま始まっても構いません。 途中で見つかることもあります。
途中の出来事と、選択
道のりの中身は、ほとんどが途中の出来事です。 そこが冒険の本体です。
その中で、どちらを選んだかが残ります。 助ける、引き返す、待つ、別れる。
選ばなかったほうも、読む側には見えています。 選んだこととあわせて控えると、人物の輪郭が出ます。
出会いと、関係の変化
道のりの途中で、人と出会います。 一緒に進む人も、一度きりの人もいます。
関係は進むうちに変わります。 近づくことも、離れることもあります。
出会った人数を数える必要はありません。 変わったかどうかを見ます。
目的が変わることもある
出発のときに目指していたものと、いま目指しているものが違うことがあります。
これは道を外れたことではありません。 途中で見たものによって、目指すものが変わっただけです。
変わった時点を覚えておくと、話の折り返しが分かります。 そこが山場になっている作品もあります。
距離が短い道のりを、どう読むか
移動した距離はばらばらで、同じ町の中だけで進む話もある、と書きました。では、動かない道のりで何が動いているのかを開いておきます。 ここが分かると、距離で測らずに読めます。
| 動かないもの | 代わりに動くもの |
|---|---|
| 場所 | 見え方 |
| 顔ぶれ | 関係 |
| 日数 | 目的 |
| 立場 | 知っていること |
場所が動かない道のりでは、同じ場所の見え方が動きます。 通い慣れた道が、途中から違って見える。二度目に同じ場所へ行く場面が置かれていれば、そこが折れ線の上下にあたります。 遠くへ行く話では、一度しか通らない場所が多いので、この効き方は出ません。
顔ぶれが動かない道のりでは、関係のほうが動きます。 新しい人と出会わないので、すでにいる人との距離が変わることで進みます。 八つの軸のうち、出会いの欄は空いたままになり、関係の変化の欄が厚くなります。
日数が短い道のりもあります。 一日だけ、あるいは数時間だけ。そのあいだに目的が変わるなら、それは道のりです。 距離ではなく、目的の欄が前と後で違っていることを見ます。
立場が動かないまま、知っていることが動く道のりもあります。 何も変わっていないのに、知ってしまったことで戻れなくなる。 これは移動を伴わない道のりの、いちばん静かな形です。
八つの軸は、距離が短くてもそのまま使えます。 埋まる欄が違うだけです。出発点と目的地が同じ場所でも、目的の変化と関係の変化が埋まれば、道のりとして読めます。
逆に、遠くへ行っても何も変わらない作品もあります。 距離は長いのに、軸が一つも埋まらない。そのときは、冒険として読まずに別の読み方を当てるほうが合います。 移動そのものを眺める作りということもあります。
終わり方は三つ
| 終わり方 | どうなるか |
|---|---|
| 帰還 | 元の場所へ戻る |
| 到達 | 目的地に着く |
| 継続 | 道のりが続く |
どれも成功とも失敗とも書きません。 終わり方が違うだけです。
三つのどれにも当てはまらない終わり方もあります。 そのときは、そのまま控えます。
実用の案内にはしない
こしらえた道のりで読む
使い方を見るために、こしらえた場面を4つ置きます。 どれも実在の作品ではありません。
四つとも、終わり方に点を付けていません。 見ているのは変わったことだけです。
道のりを読む五つ
手を動かすのは、この五つだけで足ります。
| 見るところ | 確認すること |
|---|---|
| 目的 | 出発時と今で違うか |
| 選択 | どちらを選んだか |
| 関係 | 変わったかどうか |
| 終わり方 | 三つのどれか |
| 点数 | 成功として測ってないか |
埋まらない欄があっても進めます。 変わったところが見えていれば読めます。
道のりを見るところから
冒険と呼ばれる作品を読むときにすることは、多くありません。着いたかどうかではなく、道のりで何が変わったかを見ること。
目的が変わったか、関係が変わったか、選んだものは何だったか。それが見えれば、終わり方がどうであっても読み終われます。
そして、終わらない道のりもあります。 続いていること自体が、その作品の形です。