働く人が主人公の読み切り漫画を探す
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働く人が主人公の読み切り漫画は「仕事そのもの」だけでなく、その人の生活背景から探すと選びやすくなります。生活背景5つと仕事をどこまで描くか、舞台と余韻を組み合わせる選び方をまとめました。
社会人の読み切りは「仕事そのもの」だけで選ばない
学生ではない人が主人公の漫画を読みたい。そう思って探すと、まず仕事の内容で絞り込みたくなります。
ただ、それだけだと候補がかなり狭くなります。働く人を描いた読み切りには、仕事の場面がほとんど出てこないものもたくさんあるからです。帰りの電車のなか、休みの日の午後、同僚と交わした数分の会話。どれも働く人の話です。
一作で描ける時間は短いので、その人の一日のどこを切り取るかが、作品ごとにはっきり選ばれています。 職種ではなく、そこを見れば選べます。
生活背景5つ(仕事中心・私生活との間・職場の関係・迷い・仕事以外)
その一作が、働く人のどの部分を見せているか。よく見かける形を5つ挙げます。
1. 仕事が物語の中心
働いている時間そのものを描く形です。手の動き、判断、段取り。その人が何をしている人かが、行動から伝わってきます。
2. 仕事と私生活の間
職場と家のあいだにある時間を描く形です。通勤の途中や、帰ってからの数十分。切り替わる瞬間に、その人らしさが出ます。
3. 職場の人間関係
同じ場所に毎日いる人どうしの関係を描く形です。選んで一緒にいるわけではないぶん、距離の取り方が独特になります。
4. 働き方に迷っている
いまのやり方をこのまま続けるかどうかに向き合う形です。答えが出ないまま終わる作品もあります。
5. 仕事以外の時間を描く
働いていることは背景にあるけれど、描かれるのは別の時間という形です。休みの日や、夜の趣味の時間などです。
主人公の仕事をどこまで知りたいかで選ぶ
次に決めたいのが、仕事の中身をどれくらい読みたいかです。ここを先に決めておくと、途中で置いていかれることが減ります。
職種が分かれば十分
何をしている人かだけ分かれば読める作りです。仕事は人物の背景として置かれ、描かれるのは別のところになります。
仕事の内容も少し知りたい
どんな作業をしているかが少し描かれる形です。その人が何に気を遣っているかが見えると、場面の意味が変わります。
仕事そのものを味わいたい
段取りや判断の細かいところまで描かれる形です。ただし、詳しいほど上、ということはありません。 専門的なほど良い、ということもありません。何を楽しむ作りかが違うだけです。
知らない用語が出てきても、たいていは前後の絵で見当が付きます。仕事の正確さを確かめながら読む必要はないので、分からない言葉はそのまま飛ばして大丈夫です。
職場・通勤途中・帰宅後・休日・仕事先の外
働く人の一日には、性質の違う場所がいくつもあります。どこで進む話かで、読み心地はかなり変わります。
職場
役割があり、人の目がある場所です。そこからわずかにはみ出した瞬間が目立ちます。
通勤途中
誰とも話さなくていい時間です。考えごとの場面になりやすく、読み切りとも相性がよい舞台です。
帰宅後
役割を下ろしたあとの時間です。職場での姿とどれくらい違うかが、そのまま人物の描写になります。
休日
仕事から離れた時間です。働いていることは背景に残るので、休みの過ごし方そのものが人物を語ります。
仕事先の外
取引先の帰り道や、外回りの途中など、職場でも家でもない場所です。どちらの顔でもない時間が描かれます。
時間帯から、切り取られた生活背景を逆算する
生活背景と舞台は別の軸だと書きましたが、この二つは紹介文の上ではつながっています。 書かれた時間帯から、その一作がどの生活背景を扱っているかがかなり見当が付きます。
| 時間帯 | 見える生活背景 |
|---|---|
| 早朝 | 私生活との間 |
| 日中 | 仕事が中心 |
| 夕方 | 職場の人間関係 |
| 夜 | 仕事以外の時間 |
| 休日 | 働き方の迷い |
理由は単純で、働く人の一日は時間帯ごとに役割が変わるからです。 日中に描かれるのは働いている時間ですし、夜に描かれるのは役割を下ろしたあとの時間です。だから時間帯が書かれていれば、生活背景のほうも自然に絞られます。
この対応は目安であって、決まりではありません。 夜の職場を描いた作品も、休日に仕事をしている作品もあります。ただ、紹介文に職種が書かれていないときでも時間帯さえ分かれば入口の見当は付く、というのが使いどころです。
逆向きにも使えます。 「仕事以外の時間を見たい」と決まっている日は、夜や休日が書かれた紹介文から当たっていけば早く着きます。
すっきり・ほろ苦い・あたたかい・思索・前向きから逆に引く
生活背景も舞台も絞れないときは、どんな気持ちで読み終えたいかのほうから引くと早く着きます。
すっきり
区切りがついて終わる方向です。大きな成果が出なくても、その日が終わったという感じが残ります。
ほろ苦い
うまくいかなかったことを、そのまま持ち帰る方向です。働く人を描いた作品では、この手ざわりがよく出ます。
あたたかい
誰かとの距離が少し近づいて終わる方向です。同僚でも、家族でも、名前を知らない人でも成立します。
考えが残る
自分の働き方について、読んだあとに少し考えることになる方向です。答えは書かれていません。
少し前向き
明日も続くことを、悪くないと思える方向です。大きく変わらなくても、この余韻は成立します。
「仕事の漫画」と「働く人の漫画」は同じではない
この方向で取り違えやすいところです。
仕事の内容を丁寧に描く作品と、働いている人を描く作品は、重なることはあっても同じではありません。前者は仕事が主役で、後者は人が主役です。
だから、会社員が社会人漫画の基本、ということはありません。 どんな働き方の人でも主人公になりますし、働き方そのものが描かれないこともあります。
社会人読み切りの選択マップ
軸は、この順に決めていくと迷いません。
生活背景と舞台と余韻の重なりを、一日の切り取り方を三つ書いて確かめます。どれもこの記事で考えたもので、実在の作品ではありません。
三つとも、その人がどうしたかは書いていません。読む前に要るのは、一日のどこを切り取った一作かという情報だけです。
職種の書き方・時間帯・人数から中身を読む
紹介文の数行から、思っているより多くのことが分かります。とくに職種を具体的に書くかぼかすかは、作品が仕事と人のどちらを主役にしているかの手がかりになります。
もうひとつ、読む前に見ておきたいのがどこで公開されているかです。正規の掲載元で、いま公開されている状態かどうか。公開が期間限定になっていることもあるので、開く前に確かめておくと空振りが減ります。
ここで言いたいのはその作品の正規の掲載元を確かめるということだけで、どこがよいという話ではありません。作品ごとに公開されている場所は違うので、作品の側から辿るのが確実です。
働く人の読み切りを開く前の5項目
開く前に、さっと見ておきたいところです。
| 見る所 | 確認すること |
|---|---|
| 仕事 | どこまで描くか |
| 暮らし | 仕事外の時間 |
| 舞台 | どこで進むか |
| 余韻 | 何が残るか |
| 紹介文 | 結果に触れてないか |
結局、この方向は「職種」ではなく「一日のどこか」で決まる
働く人の話を探すとき、職種から入るのは自然です。でも読み切りではそれが効きません。 一作で描かれるのはその人の一日のごく一部なので、同じ職種でも切り取られた時間が違えば、まったく別の読み物になります。同じ店員を描いた二作が、片方は仕事の段取りの話、もう片方は帰り道の話ということが普通に起きます。
だから軸を、一日のどこかに置きます。 働いている時間を見たいのか、そのあいだの時間を見たいのか、離れている時間を見たいのか。これは職種を知らなくても決められますし、時間帯が書かれた紹介文からも逆算できます。
そして、この方向でいちばん外しやすいのが期待の置き方です。 仕事の悩みが描かれるもの、残業が描かれるほどリアル、成長して終わるのが王道。どれも前提として置くと、当てはまらない作品を外してしまいます。何も変わらないまま終わる一作にも、その形でしか描けないものがあります。
読み切りなら、合わなくても数十分の話です。今日は、一日のどのあたりの時間を眺めてみたいでしょうか。