笑える読み切りを探す|設定とテンポで選ぶ
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ギャグの読み切り漫画は「何で笑いたいか」で選ぶと合うものを見つけやすくなります。設定や会話など5つの笑いの方向と、テンポの違い、読後感の見方、紹介文から笑いの方向を読み取るコツをまとめました。
ギャグの読み切りは「何で笑いたいか」から選ぶ
笑えるものが読みたい。でも、どういう笑いが読みたいのかまでは決まっていない。
そんなときは、何で笑いたいのかを先に決めると探しやすくなります。
同じ「笑える」でも、設定からしておかしい話と、会話がひたすら噛み合わない話とでは、笑い方そのものが別ものです。しかもギャグは、他のどのジャンルよりも合う・合わないがはっきり出ます。 泣ける話は好みが違ってもある程度は響きますが、笑いは合わなければ本当に一度も笑えません。
笑いの方向5つ(設定・会話のズレ・すれ違い・テンポ・真顔)
何がおかしくて笑っているのか、その中身です。
1. 設定そのものがおかしい
前提からずれている形です。その世界では当たり前、という顔で話が進むほど可笑しくなります。
一行で説明できる設定ほど読み切りと相性がよく、最初の数ページで引き込まれるかどうかが決まりやすい入口です。
2. 会話のズレで笑う
話している内容が噛み合わないまま進む形です。言葉のやり取りそのものが見せ場になります。
派手な出来事は起きないことが多く、台詞を追うのが好きな方に向いています。
3. 勘違いやすれ違いで笑う
お互いが違う話をしていると読者だけが分かっている形です。読者が先に気づいている、という状態が可笑しさを作ります。
すれ違いが解けるところまで含めて一作に収まるので、読み切りでよく見かける形です。
4. テンポの速さで笑う
内容よりも畳みかけ方で笑わせる形です。勢いがそのまま面白さになります。
立ち止まらずに読み進めたいときに向いています。
5. 真顔で変なことをする
本人は大真面目なのに、やっていることがおかしい形です。説明も言い訳もしないほど効いてきます。
笑わせにきている感じが苦手な方にも読みやすい形です。
テンポから選ぶ
次に、笑いが来る間隔です。
すぐ笑いが来る
短い間隔で続けて来る形です。読み始めてすぐ気分を変えたいときに向いています。
少しためてから来る
間を置いてから落とす形です。ためている時間そのものを楽しめるかどうかで好みが分かれます。
最後までじわじわ続く
大きな山を作らず、小さい笑いが途切れずに続く形です。読み終わったあとに「ずっと可笑しかった」と感じる作りです。
登場人物が「笑わせようとしているか」で見る
意外と好みが分かれるところです。
登場人物が自覚的にふざけている作品と、本人は真剣なのに周りから見ると可笑しい作品があります。前者は勢いが、後者は温度差が笑いを作ります。
笑わせにくる感じが得意な方もいれば、真顔で進むほうが笑える方もいます。どちらが優れているという話ではありません。
笑えなかったときに疑うところ
ギャグは、外したときに手応えがはっきり残ります。 一度も笑えないまま最後まで来てしまうからです。ただ、そのほとんどは作品が面白くないという話ではなく、次の四つのどれかがずれています。
方向が合っていないことが、いちばん多いです。 会話のズレで笑うつもりで開いたら、設定の可笑しさで押してくる作品だった。この場合、同じ作者の別作でも同じことが起きます。方向を変えて探すのが早い直し方です。
テンポが合っていないこともあります。 ためてから落とす作品を、細かく笑いたい日に開くと、ためている時間が退屈になります。作品の速度は変えられないので、日を変えるか、すぐ来る作品に寄せます。
人物の立ち位置が苦手な場合もあります。 笑わせにきている感じが強い作品は、それが得意でない人にはずっと引っかかります。真顔で進む作品に寄せると、同じ内容でも笑えることがあります。
そして、読む前に期待を固めすぎた場合。 「絶対笑える」と言われて開くと、笑いの敷居が上がります。感想を先に読まないほうがよいのは、ネタバレを避けるためだけではありません。
軽い・くだらない・優しい・シュール・余韻から逆に引く
読み終えたあと、どんな気分でいたいかです。
軽く笑える
さらっと読めて、後に残らない形です。時間が空いたときに向いています。
くだらなくて楽しい
勢いを楽しむ形です。考えずに笑いたいときにいちばん効きます。
ちょっと優しい
笑ったあとに和む形です。人物どうしの関係が温かく描かれることが多く見られます。
シュール
説明がないまま進む形です。人を選ぶ、という言い方をされがちですが、上級者向けということではありません。 合うか合わないかだけの違いです。
余韻まで笑える
読み終えたあとに思い出して笑える形です。うまく言えないけれど可笑しい、という感覚が残ります。
ギャグ読み切りの選択マップ
ここまでの軸を、決める順番に並べると次のようになります。
三つそろえなくても構いません。笑いの方向がひとつ決まった時点で、候補はもう半分以下になっています。
架空の例で笑いの方向を見てみる
方向の違いは説明しにくいので、四つだけ形を書いてみます。どれもこの記事の中で考えたもので、実在の作品とは関係ありません。
オチは書きません。 どんな形の笑いかを示すところまでです。
同じ「笑える読み切り」でも、方向が変わるだけで読み心地はここまで違います。
紹介文で笑いの方向を見るコツ
紹介文からでも、ある程度は方向が読み取れます。
設定が一行で書かれていれば設定型、台詞がそのまま引用されていれば会話型、登場人物の関係だけが書かれていればすれ違い型のことが多い、という見方ができます。
誰かを傷つける笑いについて
笑いの好みとは別に、書いておきたいことがあります。
容姿、病気や障害、生まれた場所、信じているもの。そうしたものを笑いの的にした作品は、読んで嫌な気持ちになることがあります。誰かを下に置くほど面白い、ということはありません。
紹介文や最初の数ページで引っかかるものがあれば、無理に読み進めなくて構いません。合わないものを閉じるのは、読み方として正しい判断です。
ギャグの読み切りを開く前の5項目
選ぶ前にさっと見ておきたいところです。
| 項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 笑い | 方向が自分に合うか |
| テンポ | すぐ来るか、ためるか |
| 立ち位置 | 笑わせにいくか真顔か |
| 読後感 | どんな気分で終わるか |
| 紹介文 | オチに触れていないか |
結局、ギャグは「面白い作品」を探しても見つからない
他のジャンルなら、評価の高い作品を選ぶのはある程度あてになります。ギャグだけは、それがほとんど効きません。 笑いは合う・合わないで決まるので、多くの人が笑った作品が自分に効くとは限らないからです。逆に、誰も話題にしていない一作で自分だけ大笑いすることもあります。
だから探す基準は、作品の評価ではなく自分の好みの言葉になります。 会話のズレで笑いたいのか、真顔で進むのが好きなのか、すぐ来るテンポがいいのか。これは他人のものさしでは決まりません。
そして、その言葉は読まないと増えません。 勢いのある話が好きだと思っていたら実は真顔のほうが笑えた、というずれは、紹介文をどれだけ読んでも分かりません。笑えなかった一作も、方向・テンポ・立ち位置のどれがずれたかを見ておけば、好みの語彙が一つ増えます。
一作あたりの時間は短いので、その試行は数十分ずつで済みます。今日はどんなふうに笑いたいか。そこだけ決めて開いてみてください。